2012年12月08日
仕事をするということについて~組織人としての仕事の仕方を振り返って思うこと
もう独立して20年以上になり,組織で働いた期間より,はるかに長くなった。長くなったことで,その当時気づけなかったことに気づけるようになった。
別に正しいとは思わないが,こういう自己認識を持っていれば,たぶん独立してもうまくいくような気がしている。わかっている人にとってはばかばかしい常識かもしれないし,できる人にはたわごとかもしれない。またこういう言い方は,聞きようでは,上から目線なのかもしれないが(それが一番嫌なので),率直にいま思っていることなので,さらりと読み流してもらえればうれしい。
第一は,抱え込まない。自己完結した仕事をしないということだ。多くの場合,気づかずに,おれが何とかしなくては,と抱え込んでいるケースが目立つ。当たり前のことだが,仕事はチームでする。チームのタッグを組んでいることを忘れるくらい,人はたこつぼに入って仕事をしている。この状態を抱え込みというが,抱え込んでいることの最大の問題は,それが本人が抱え込んではならない,あるいは抱え込んでもどうにもならないレベルの問題なのかもしれないのに,本人が抱え込んでいるために,周りに見えないことだ。
チームの原則は,言うまでもなく,目的の共有化,役割分担,コミュニケーションだが,お題目のようにそんなことを言っていればいいというわけではない。チームとして機能するには,では,具体的には,それはどうなっていることなのか。たとえば,
①目的を共有するという。では,どうなったら共有したことになるのか,ただお題目のように目的を復唱することではない。それぞれの日々の仕事ひとつひとつが,チームの仕事につながっていることを,そのチームの仕事が上位部署の仕事につながっていることを,ひとりひとりが,ひとつひとつの仕事で了解できていることだ。そのためのコミュニケーションをリーダーがしたのかどうか。
②役割分担とは,どうなったら役割分担していることになるのか。単に自分の担当に責任をもつことなのか,それだけではない。自分の担当業務を介して,自分が解決できない事案にぶつかったとき,それを自分でかかえず,上司やチームに投げかけられることだ。チームで仕事をし,そのための自分の役割がわかっているとは,自分の役割を超えた案件で,自分がやるべきことなのか,チームでやるべきことなのか,チームを超えた部署や組織でやるべきことなのかが見極められることでなくてはならない。そのためには,日々上司やチームメンバーとの間で,お互いの仕事について,率直にコミュニケーションをとれる土俵ができていなければ,「それはうちの仕事ではない」「どうせ言ったって仕方ない」「どうせどうにもなるまい」ですましてしまうことになる。
③コミュニケーションがとれているとは,どうなっていたらコミュニケーションがとれていることなのか。コミュニケーションが必要なのは,役割を割り振って,あとは蛸壺にはいってひとりひとりが背負い込んで黙々と仕事をする職場にしないためだ。そういう職場は,チームになっていない。仮にチームの目指すものをどう分担するかがわかっていたとしても,チームではない。チームで仕事をするとは,一人で仕事を抱え込まず,他人にも仕事をかかえこまさない仕事の仕方のことだ。そこではどんな仕事も,自分一人でやっているのではないという了解がとれている,些細な問題もチームに上げ,チームで解決すべきことはチームで解決しようとし,上位部署もまきこんで解決すべきことは上司を介してより上位にあげていく。そのときもし自分のやるべきことをチームにあげたとすれば,「それは君の仕事だ」と,本人につき返すことができるチームだ。そういうコミュニケーションがとれていてはじめて,チームの要件としてのコミュニケーションがとれているといえるのである。
第二は,いま現場で起きていることは,いま現場で,そのことに携わっている人間にしかわからない。しかし,現場の人間にも,そのおきている意味はつかめていないかもしれない。そのためにこそ,報連相がある。報連相は,問題状況を共有するためにする。それができていなければ,あるいはそれができない状況であれば,現場のことがつかめぬまま,指示することになる。あるいは抱え込むほかはなくなる。
第三は,何をするために自分がそこにいるのかの答えを自分なりに見つけておくこと。それを自分の仕事に旗を立てるという。それは自分の仕事の意味づけであり,自分の意味づけであり,チームの意味づけでもある。
それを簡便に分解してみたのは,
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/prod0653.htm
である。
旗をたてるとは,自分自身の意味づけ,自分の仕事の意味づけ,自分のチームの意味づけを考えることであり,それが,チームとの関わり,上司との関わり,他のチームとの関わり,組織全体とのかかわりを考え,自分の役割を主体的に考えることになる。それが,旗を立てることの効果になる。たとえば,目的や目標を共有化するということは,自分の立場,役割としてそれをどういう形で受け止めていくかを考えることになる。それが,自分の旗を上司の旗とリンクさせ,組織の旗とつなげていくことになる。
大事なことは,自分や自分のチームの目標ではなく,その目標を達成することで,自分や自分のチームの所属する上位チームの目標(自分の目標にとっては目的)にどういう形でリンクしているのかを意識することである。それが自分の目標の意味づけであり,仕事の意味づけとなる。
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/view80.htm
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/view56.htm
そして組織成員全員が,自分の旗を持つということは,旗の連なりを見れば,組織の方向性と,そのためにそれぞれ果たしている意味が見えてくる,そんな夢のような妄想を,最近いつも描いている。
今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm
#やる気
#チームの要因
#自分の居場所
#メンバーシップ
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#チームワーク