宇宙という玉ねぎに「芯」はあるか?~『重力とは何か』を読んでⅠ
大栗博司『重力とは何か』(幻冬舎新書)を読んだ。
著者自身が超弦理論(超ひも理論)研究の最前線で,六次元空間から三次元素粒子の性質を導き出すトポロジカルな計算方法(「トポロジカルな弦理論」)を開発した共同研究者の一人であり,わくわくするような,ミクロからマクロにわたる宇宙研究の最前線への歴史を,数式を使わず読ませていく。ベストセラーだそうだが,なかなか面白いし,考えさせられる。
…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか