2014年06月14日
Dream
ここで言う,Dreamは,
マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの,「I Have a Dream」ではなく,
レム睡眠(Rapid eye movement sleep, REM sleep)で見る,
夢のことである。
夢はレム睡眠というごく浅い眠りに随伴する内的体験,
だとされている。本当に完全に脳が休んでいる状態なら意識は途切れるので,夢体験が起こることは考えにくい,といわれる。
脳がある程度の活動状態に保たれている,
からこそ,夢を見ることができる。夢を見ている最中は,
脳の奥のほうにある記憶に関連した大脳辺縁系と呼ばれる部分が活発に活動し…,同時に大脳辺縁系で情動的反応に関連した部位も活発に活動している…。一方で,記憶の照合をしている,より理性的な判断機能と関連する前頭葉の機能は抑制されている,
とされ,フランスの脳生理学者ミッシェル・ジュヴェの発言がいい。
レム睡眠中には,動物も人間も危機に対処する行動をリハーサルし,いつでも行動できるよう練習している,
という。つまりは,イメージ・トレーニングである。
ここでは素人が専門的な夢に立ち入るつもりはないが,自分の夢には,ずっと特徴がある,と思っている。といって,精神分析家やユンギアンにかかったことがないので,特徴かどうかも,素人判断だが…。
特徴は,二つある(といっても正確に覚えているわけではないので),ような気がする。
ひとつは,よく夢の続きを見る。
いまひとつは,よく探し物をしている。
探し物というのは,いろんなパターンがある。たとえば,
どこかと誰かと飲んでいて,店を出て,忘れ物をしたことに気づくが,なかなか店に辿り着けない,
あるいは,
多分会社とおぼしい事務所に,忘れ物をして,それを捜しに行くのだが,事務所へたどり着けない。
あるいは,よくあるのが,
トイレに行こうとするのだが,よく知っているはずなのに,なかなかたどり着けない。あると思うと,風呂だったりする。
そのプロセスだか,別のことだか分からないが,よくあるのは,高いところから,降りていくのに難渋するのケースだ。階段だと思うと,途中で切れていたり,途方もない高さのベランダのようなものに出て,そこから下への方法がなく,そろそろと,伝わりながら下りている,ということが多い。辿り着いたかどうかまでは,覚えていない。
それと関連するが,飛び降りなくてはならない,というシチュエーションが存外多い。いまでも少しだけ覚えている例でいうと,
高い山頂から,一直線に,尾根沿いを下る,急角度の坂の上で,そこを滑り降りるか,駈け降りるか,選択を迫られている,しかし他に余地はなく,渋々というか,恐る恐る,そこを下りだす,
というような感じだ。
何処かへ行こうとして行き着かない,
何かを捜そうとして,探し出せない,
何とか行こうとすると,道や階段がない,
こんなふうな感じの夢が多い。
僕は,いつも,何かを,
探しあぐねている,
らしいのだ。夢の専門家なら,何かを言い当てるかもしれないが,まあ僕には思い当らない。第一,そんな冒険家でも野心家でもドリーマーでもないので,夢を見ているときは,わくわくよりは,じりじり,という感覚が残っている。
しかし,ああ,これはいつぞやの夢の続きだ,
と夢の中で思っていることが再三ある。単なる,デジャヴ(?)かもしれないが,確かに,その感覚があるし,
話が続いている,
(と思って夢を見ている)のである。そして,稀に,忘れ物を探し当てることがある。しかし,これは最近だが,
忘れたと,思って急いでその場へ戻ると,カードすべてが抜き取られた空財布だった,
ということがある。そのぞっとした感覚は,なんとなく残っている。
別に夢判断をしたいとは思わないが,
レム睡眠は朝に向かって増える。夢は,
脳の機能から考えると,ノンレム睡眠の時に休んだ脳機能を朝の覚醒にむけて,外界の変化から離れた夢を見ながら徐々に働かせている。
つまりはオフライン状態のときに,ウォーミングアップしているのだという。そういえば,昔は,
空を泳いている,
夢をよく見た。ユンギアンは,言葉を覚えた時代のもの,という。
しかし,何のウォームアップになるのだろう。
参考文献;
内山真『睡眠の話』(中公新書)
今日のアイデア;
http://www.d1.dion.ne.jp/~ppnet/idea00.htm