2018年05月31日

てるてる坊主


てるてる坊主は,晴天を祈って,軒先に吊るしておく。

『広辞苑』には,

「晴天となれば,晴(ひとみ)をかきいれ神酒を供えた後,川に流す」

とある。その風習は知らない。

Teruterubouzu.jpg


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A6%E3%82%8B%E3%81%A6%E3%82%8B%E5%9D%8A%E4%B8%BB

には,

「照る照る坊主(てるてるぼうず)は、日本の風習の一つである。翌日の晴天を願い、白い布や紙で作った人形を軒先に吊るすもので、『照る照る法師』、『照れ照れ坊主』、『日和坊主(ひよりぼうず)』など地域によって様々な呼称がある。」

とあり,

「てり雛・てり法師・てりてり坊主・てるてる・てるてる法師・てるてる坊主・てれてれ法師」

といった異称があるらしい。そして,

「江戸中期既に飾られていたようである。この頃の人形は折り紙のように折って作られるもので、より人間に近い形をしており、これを半分に切ったり、逆さに吊るしたりして祈願した。19世紀はじめの『嬉遊笑覧』には、晴天になった後は、瞳を書き入れて神酒を供え、川に流すと記されている。」

とある。『江戸語大辞典』は,「てるてる法師(照々法師)」「てるてる坊主(照々)坊主」が載り,

「児女などが晴天を祈って軒下などにつるす紙人形。祈って天気となれば晴(ひとみ)を書き入れ神酒を供えた後,川に流す」

とある。

紙人形であった,

ことと,晴れになったら,

晴(ひとみ)を入れて,
神酒を供えて,
川に流す,

というのが,風習としてあったということになる。『語源由来辞典』

http://gogen-allguide.com/te/teruterubouzu.html

は,

「てるてる坊主は、中国から入った風習といわれる。 中国では、白い紙で頭を作り、赤い紙の服を着せ、ほうきを持たせた女の子の人形(『雲掃人形』や『掃晴娘』と呼ばれる)を 、雨が続く時に軒下につるして晴れを祈る風習があった。 ほうきを持っているのは、雨雲を掃き,晴れの気を寄せるためという。この風習が江戸時代に伝わり(一説には平安時代とも),当初は『照る照る法師(てるてるぼうし)』と呼ばれていたものが、『照る照る坊主(てるてるぼうず)』になった。現在でも地域によって『てるてる法師』や『てれてれ坊主』、『日和坊主』などと呼ばれる。
女の子から男の子に変化した理由は定かではないが、日照りを願う僧侶や修験者が男であったことからや、人形が頭を丸めた坊主のようであるところからと考えられている。」

とある。しかし,今日中国ではその風習はすたれ,今では中国でも日本から伝わったてるてる坊主のほうがメジャーだとか(一説にアニメ『一休さん』の影響らしい)。

「掃晴娘」の由来については,大体似た話が載るが,たとえば,

https://wabisabi-nihon.com/archives/14405

に,

「昔々のある年の6月に、中国の北京は、これまでにない大雨に見舞われます。雨はいつまでもいつまでも降り続き、止む気配はありませんでした。大雨を降らせた『東海龍王』は、北京城内を雨水であふれさせ、人々を苦しめます。
そんなある夜、晴娘(ちんにゃん)という娘が、天に向かって祈りました。
「この雨が、一刻も早くやみますように・・・!」
すると、突然空からお告げがあったのです。
「晴娘よ、東海龍王の太子の妃になれ。もしも従わなければ、北京を水没させるぞ。」
その声を聴いた晴娘は、答えました。
「命に従って天に上ります。ですから、どうか雨をやませてください。」
その瞬間、突風が吹き、晴娘の姿は消えました。そして雨はピタリと止み、久しぶりに北京の街に、晴れ間が見えたのです。それ以来、人々は雨をやませるために犠牲になった晴娘を祀り、長雨のときには、紙で作った人形を、門にかけるようになったのだそうです。」

と。真偽はともかく,紙で作った人形というところは似ている。『大言海』には,「てるてる坊主」の意味に,

掃晴娘,

をのせ,帝京景物略(明,劉洞)を引く。

「雨久,以白紙作婦人首,剪紅縁紙衣之,以苕菷苗縛小帚,令携之令攜之,竿懸簷際,曰婦晴娘」

とある。明代の風習とすると,江戸時代に入って来たものと思われる。とすると,あるいは,

掃晴娘,

の由来話は,後世の創作の可能性がある。

ところで,童謡『てるてる坊主』(作詞・浅原鏡村)は,

(1番)
てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
いつかの夢の空のよに 晴れたら金の鈴あげよ
(2番)
てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
わたしの願いを聞いたなら あまいお酒をたんと飲ましょ
(3番)
てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
それでも曇って泣いてたら そなたの首をチョンと切るぞ

だが,もともと「削除された幻の1番」というのがあって,

てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
もしも曇って泣いてたら 空をながめてみんな泣こう

だそうだ(https://tenki.jp/suppl/usagida/2015/05/14/3771.html)。

参考文献;
大槻文彦『大言海』(冨山房)
前田勇編『江戸語大辞典 新装版』(講談社)

ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評
http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

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posted by Toshi at 03:53| Comment(0) | 江戸時代 | 更新情報をチェックする