2018年10月13日

ためぐち


「ためぐち」は,

ため口,
とか
タメ口,

と表記されることが多い。

ため語,

とも言うらしい。しかし『広辞苑第5版』には載らない。

年下の者が年長者に対等の話し方をする,

意で,

ため口をきく,
とか,
ため口をたたく,

という使い方をする(『デジタル大辞泉』)。ただ,単に対等というより,

敬語を使わず,なれなれしく話すこと,

の方が実態に叶っている。実際のある調査では,

仲間同士の言葉だという認識が過半数を占めている,

とある(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%A1%E5%8F%A3)。たとえば,

上司「●●くん、この書類なんだが」
部下「え?なに?」
上司「あ、いや。数字が間違ってるんだよ」
部下「あ、ゴメンゴメン。間違えちゃった」
上司「いや、間違えちゃったじゃなくてだなぁ」
部下「いいじゃん、人間なんだから間違いぐらいあるでしょ」
上司「.....」
部下「あれぇ?課長、どうしたの、急に黙っちゃって。あ、分かった。図星だからでしょ」
上司「(怒)」

といった感じである(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11255726)。

『日本語俗語辞典』(http://zokugo-dict.com/16ta/tameguchi.htm)は,

タメ口とは、対等な言葉使いのこと,

として,

「タメ口とは『対等』『同じ』を意味する俗語『タメ』に『口(口ぶり)』をつけたもので、対等な言葉使い、つまり友達口調を意味する。『タメ』は元々賭博用語だが、これが不良少年に広まる過程でタメ口という言葉は生まれた。こうして当初は不良少年が好んで使ったが、1970年代末のツッパリ・ブームで若者全体に広まる。タメ口は後輩など目下の者に『タメ口でいいよ』といった好意的なものから『なれなれしい言葉使い』という意を含み『タメ口きいて(使って)んじゃねえぞ』と敵意を表すものまで様々なシーンで使われる。」

と,ニュアンスの差を言っている。

「ため口」の,「ため」は,

「相手と対等、または同等であることをいう俗語。地位や力関係、年齢などについていう」

とあり(『デジタル大辞泉』),

ためを張る(=張り合う),

という使い方をするらしい。『広辞苑第5版』にも「ため」は,

相手と同程度の地位であることをいう俗語,

とある。「ため」は,

「さいころ賭博(とばく)で、二つのさいの目が同じになることからという。」

ともある(『デジタル大辞泉』)。このことは,『語源由来辞典』(http://gogen-allguide.com/ta/tameguchi.html)に,

「『ため』は,博打用語で『ぞろ目(同目)』をさした語。1960年代から,不良少年の隠語として『五分五分』の意味で使われるようになり,『対等』や『同じ』という意味も表すようになった。さらに,『同年』や『同級生』を言うようになり(『タメ友』とも),同い年の相手に話すような口のきき方を『ため口』というようになった。これらの語は,1970年代の後半から1980年代にかけて一般の若者にも使われるようになり,現在,『ため口』に関しては,若者以外でも広く用いられるようになっている。」

とある。

「「『ため』の語は、サイコロ賭博で『同目(ゾロ目)』を意味した。広まる過程で「どうめ→とうめ→ため」と変遷し、タメという言葉が生まれた」

という(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%A1%E5%8F%A3)。因みに,「ぞろ目(ゾロ目)」とは,

揃目,

とも当て,

「二つの采(さい)に同じ目が出ること」

で(『広辞苑第5版』),そこから転じて,

二桁以上の数列が全て同じ数字で構成されていること,

をも意味するようになった。

江戸時代の庶民同士では「だ」で話した,

という(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%A1%E5%8F%A3)が,

「第二次世界大戦まもなくまで、江戸時代の封建社会的な身分制度の名残で身分によって言葉の差が大きく、魚屋や八百屋は「安いよ!」と言うことが多かったものだが、言葉の丁寧化が進み、高級店並みの言葉遣いで話す場面もみられるようになり、従来「だ」で話すことも多かった労務系の道路工事、タクシーの運転手、宅配業者などでも丁寧に話すことが増えた」(仝上)

とある。その分,

「2010年代には企業の採用担当者は、目上の者に対するタメ口が当たり前になってきた」

とか。なれなれしい言い方は,公の場とは異なる,私的な空間での仲間意識,対等意識の表現として際立つのかもしれない。しかしため口で話す関係と勘違い(誤解)して,ため口をきいたとして,

それを相手がため口と感じたら,

そういう関係ではないと相手が認識している,ということだから,改めなくてはならないのだろう。それはセクハラの場合と似ている。

ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評
http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

posted by Toshi at 04:41| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする