2018年12月19日

にち


「にち」は,

日,

と当てるが,「日」は,

「ヒ」「ニチ」「ニッ」等々と訓んで,

太陽,

で,「日没」「日の出」「日光」「日差し」「日輪」等々。

「ヒ」「ニチ」「ニッ」「ジツ」等々と訓んで,

地球が1周の自転をするのにかかる時間の単位。おもに平均太陽日。暦日,

で,「日々」「半日」「終日」「過日」「先日」「その日」「毎日」等々。

「ヒ」「ニチ」「ニッ」等々と訓んで,

太陽が観測できる時間帯。昼,

で,「昼日中」「日中」「日暮れ」「日夜「等々。

「ひ」「ニチ」「ニッ」「ジツ」等々と訓んで,

特定の一日,

で,「ひにち」「祭日」「日時」「縁日」「吉日」等々。

「ひ」「ニチ」「ニッ」等々と訓んで,

日数,日々,

で,「日が浅い」「日延べ」等々(https://ja.wiktionary.org/wiki/%E6%97%A5に加筆)。

まあ,それにしても,いい加減に見える。しかし,文字を持たなければ,その場にいる人に通じればいいので,様々に訓んでも支障はない。しかし,「日」を当てて,ややこしくなった。

「日(ひ)」(http://ppnetwork.seesaa.net/article/463232976.html?1544905611)の項で触れたように,『岩波古語辞典』は,「ひ(日)」について,

「太陽を言うのが原義。太陽の出ている明るい時間,日中。太陽が出て没するまでの経過を時間の単位としてヒトヒ(一日)という。ヒ(日)の複数はヒビというが,二日以上の長い期間を一まとめに把握した場合には,フツカ(二日),ミカ(三日)のようにカという」
とし,

「日本語では、単独では『ひ』、漢語の数詞に続く場合は『にち』、和語の数詞に続く場合は『か』と読む。大和言葉での『ひ』と『か』の使い分けは、『一日』(ひとひ)、『二日』(ふつか)、『三日』(みか)、『四日』(よか)、『五日』(いつか)、『十日』(とをか)、『二十日』(はつか)、『三十日』(みそか)のように単数の日は『ひ』、複数の日は『か』が用いられる。」

としている(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5)。しかし「か」は,「け(褻)」と関わらせると,ただの複数の意とは違って見える。

「け(褻)」について,『岩波古語辞典』は,「晴れの対」とした上で,

「ケ(日)と同根」

とし,

「日常的なこと。ふだん」

の意とする。「け(日)」は,「k ë」で,

「カ(日)の転」

だが,

「『ひ(日)』が一日をいうのに対して,二日以上にわたる期間をまとめていう語」

である,という。「複数だけを表す単語は,日本語には他例がない」とある。「か」は「け」なのである。つまり「晴れ(晴)」とは違う日常に日々なのである。複数なったのには意味があるのではないか。

さて「ニチ」と訓ませる「日」である。「ニチ」は,

ニツ,
ジツ,

とも訓ませる。漢字「日」は,「ひ」(http://ppnetwork.seesaa.net/article/463232976.html?1544905611)。で触れたように,

「太陽の姿を描いた」

象形文字だが,呉音で,ニチ,漢音でジツと発音する。「ニチ」の「日」は,漢字「日」そのものから由来していることになる。

上記に触れたように,

太陽の「ニチ(ジツ)」
昼の「ニチ(ジツ)」
昼間の「ニチ(ジツ)」
一日の「ニチ(ジツ)」
特定の日の「ニチ(ジツ)」

である。「太陽」を意味し,それが,「太陽の出ている間」を意味し,それが「一日」となり,抽象化された「日にち」になった,という意味の抽象化の流れはよく見える。『漢字源』の意味をみても,

太陽→昼間→一昼夜→ひとひ→暦日,

という意味を転じていくのが見える。それと重なるのは,漢字「日」を採り入れた影響と見える。

参考文献;
大野晋・佐竹 昭広・ 前田金五郎編『古語辞典 補訂版』(岩波書店)

ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評
http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

ラベル:にち
posted by Toshi at 05:28| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする