2019年06月19日

だいたい


「だいたい」は,

大体,

と当てる。

おおよそのところ,

という意味であり,出自は,中国で,

「観小節足以知大體」(淮南子・汎論)

とあり,

おおよそ,あらまし,

の意である(字源・大言海)。その本意から,

大体,お前という奴は,

というように

そもそも,もとはと言えば,

という意でも使う。

「大体」は,出典から見ると,

あらまし,

という意味が妥当で,

細部は別にして、主要な部分はそうであるさま,

といった含意になる。その転訛が,

大抵,

で,

大体の変化(daiai→daitei→taitei),

で,

おおかた,
あらまし,

の意である。「だいたい」に似た意味で,

ほぼ,
おほむね,
おおよそ,
おおかた,

等々がある。「おおかた」は,

大方,

と当て,

十に七八,
たぶん,

の意が載り,少し,確度が低く,

たぶん

とある(大言海)。

オオ(大)+カタ(接尾語,方・程度・分量)

とある(日本語源広辞典)ので,

この辺り,
この程度,

ということに使う。「おほむね」は,

概ね,
大概,
大旨,

と当て,

大体の趣意,
およそ,
大体のところ,

の意であるが,「大体」とは代替不可能という説がある。たとえば,

「大体(おおよそ)の見当はついている」
「事情は大体(おおよそ)わかった」
「大体(おおよそ)一〇〇万円かかる」

等々,大部分・あらましの意で相通じるが,

「『大体』は、細部を除いた主な部分、また漏れているものもあるが、あらかたの意で、『漱石の小説は大体は読んだ』では、まだ読んでない作品も少しあることを言外に含んでいる。『夜は大体家に居る』の『大体』は『おおよそ』に置き換えることはできない。『おおよそ』は細部を問題にしないで全体を大まかにとらえていう語であるから、『おおよその説明』では、細部についての説明は省かれていることになる。」

とする(デジタル大辞泉)。

大凡の趣意,

とある(大言海)のは,その意味と見られる。「おおよそ」は,

大凡,

と当て,

大外(おほよそ)の意か,

とする(大言海)が,

オホは全ての意。ヨソは寄すの古形。古くはオホヨソニと使う。皆寄せ集めたところで,の意。従って,数についていうのが古例。中世以後約まって,オヨソとなる」

とある(岩波古語辞典)。

物事の十中八九のこと,

とある(日本類語大辞典)のはその意であろうか。「ほぼ」は,

粗,
略,

と当て,

あらあら,
あらまし,
おおかた,

の意である。そして,

「『ほぼ』は、『大体』よりも、その状態に近い場合に使う」

とある(類語例解辞典)ので,括ってしまえば,「あらまし」の意にしても,

ほぼ→だいたい→おおよそ→おおかた,

といった確度の中に,微妙に位置づけられるように思われる。

ほとんど(http://ppnetwork.seesaa.net/article/459422994.html)については,すでに触れた。

参考文献;
大野晋・佐竹 昭広・ 前田金五郎編『古語辞典 補訂版』(岩波書店)
芳賀矢一閲他編『日本類語大辞典』(講談社)
大槻文彦『大言海』(冨山房)

ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評
http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

posted by Toshi at 03:47| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする