2019年09月29日

食指が動く


食指は、

人差し指、

で、和語では、

お母さん指、
塩舐め指、

医学用語では

第二指、
示指、

で、漢語で、

食指、
頭指、

と呼ぶhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%B7%AE%E3%81%97%E6%8C%87。ちなみに、日本語で、親指、人差し指、中指、薬指、小指は、中国語ではそれぞれ、

大拇指、
食指、
中指、
无名指、
小指、

と言うらしいhttp://chugokugo-script.net/koji/shokushi.html。人差し指を、

食指、

と呼ぶのは、食べ物をつかむ時必ず使う指だからだそうである(仝上)。薬指の、

无名指、

は、「名無しの指」の意となる。日本語で、「薬指」というのは、

昔薬を水に溶かしたり塗ったりする時に使ったから、

とされる(仝上)。

塩舐め指、

という言い方もする。医学用語でも、「薬指(やくし)」という。ついでながら、

親指(おやゆび)は、母指(ぼし)、
人差し指(ひとさしゆび)は、示指(じし)、
中指(なかゆび)は、中指(ちゅうし)、
薬指(くすりゆび)は、薬指(やくし)・環指(かんし)、
小指(こゆび)は、小指(しょうし)、

と、医学用語では言うらしいhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8C%87

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「食指が動く」とは、

食欲が起こる、

意で、転じて、

物事を求める心が起こる、

あるいは、

ある物事をやろうという気になる、

意で使う。これは、春秋左氏伝の、

楚人献黿於鄭霊公。公子宋与子家、将入見。子公之食指動。以示子家曰、他日、我如此、必嘗異味。及入、宰夫将解黿(楚人、鄭(てい)の霊公に黿(げん)を献ず。公子宋と子家、将に入りて見んとす。子公の食指動く。以て子家に示し曰く、「他日、我此の如く、必ず異味を嘗(な)む、と」。入るに及びて、宰夫将に黿を解せんとす)

の故事によるhttp://chugokugo-script.net/koji/shokushi.html、故事ことわざの辞典)。これは、

「楚の荘王が鼈(スッポン)を送ってきたとき、霊公はそれを料理して家臣たちに振る舞おうとした。子家と子公も宴に招かれ、その道中に子公が『この指が動いたときは珍味にありつける』と言っており、鼈を見て両者は顔を見合わせて笑った(食指の故事)。霊公がそれを見咎めて訊ね、子公が委細を答えると、霊公は機嫌をそこね、宴の席で子公にのみ鼈料理を出さなかった。子公はこれを屈辱に思い、鼈の鍋に指を突っ込んで舐めると退室した。子公の無礼に怒った霊公はこれを討とうとするも子家に諌められたが、のちにこのことで恨み骨髄に徹した子公は子家を誘って挙兵し、霊公を討った。」

という経緯になるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9C%8A%E5%85%AC_(%E9%84%AD)。しかしどうも鼈だけが原因ではなさそうである。

霊公(れいこう)は、中国春秋時代の鄭の第12代君主。若い頃から楚への人質として送り込まれ、楚の太子侶(のちの荘王)の知遇を得る。父穆公の死後に即位し、それまでの親晋外交を親楚に切り替えようと画策し、宰相子家(公子帰生)や子公(公子宋)らと対立する。このことが背景にある。霊公を討ったのち、

「子家と子公は賢明と名高かった霊公の弟子良(公子去疾、七穆のひとつ良氏の祖)を鄭君に迎えようとしたが、断られたため、公子堅を即位させた。これが襄公である。さらに、先君の謚を決める際に幽と名づけたが、鄭の人々はこれを哀れみ、子家が死んだ際にはその棺を打ち壊し、その一族を国外に追いやった。そして、幽公と名づけられていた先君の改葬を要求し、宰相となっていた子良はそれをすぐさま承知した。こうして、幽公は改めて霊公と諡(おくりな)をつけられた」

とある(仝上)。

「食指が動く」は、平成23年度「国語に関する世論調査」で、

「食指が動く」を使う人が38.1パーセント、

本来の言い方ではない、

「食指をそそられる」を使う人が31.4パーセント、

という結果が出ている。「食欲」と重なっているらしい。

参考文献;
尚学図書編『故事ことわざの辞典』(小学館)

ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評
http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

posted by Toshi at 04:30| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする