2019年10月01日

金魚


「金魚」は、

錦魚、

とも記す、とある(大言海)。「金魚」は、中国語である。

「『金魚』の発音(ピン音で jīnyú )は「金余」と同じ縁起が良いものとされ、現在でも広く愛玩される背景の一つとなっている」

とあるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%A7

日本には、元和年中に、伝来した。

「和泉国の堺浦に渡る(大和本草)、緋鮒にて、鮒性(フナダチ)と云ふ(緋鯉を、鯉性とす)、鮒に似て、尾小さし、是れ原種のものなり。今和金和金と称す」

とある(大言海)。ただ当時はまだ飼育方法や養殖技術等が伝わっておらず、定着には至らなかったらしい。

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江戸時代に大々的に養殖が始まったが、

「寶永の頃、阿闍梨より渡したりと伝ふ、蘭鑄と云ふ。一名丸子。體圓く、頭に肉瘤ありて、背鰭なし。寛政、文化の頃、琉球産のもの渡れるを、琉金と云ふ。體圓ぐ、口小さく、尾長大なり。尾長とも云ふ。蘭鑄と琉金との子を、阿闍梨獅子頭(がしら)と云ふ」

とある(大言海)。当初、

「ガラス金魚鉢が高価であったため、金魚は陶器の鉢に入れ上から見ることが一般的でした。これを『上見』といい、金魚の改良は上から見ることから始まりました。目が飛び出ると龍が連想され、『龍晴(りゅうせい)』と呼ばれて珍重されました。この最高峰が『頂天眼(ちょうてんがん)』です。上見のため背ビレをなくしたのが『ランチュウ』です」

ともあるhttp://www.photo-make.jp/hm_2/kingyo.html

「金魚」は、

「江戸初期には富裕な者の贅沢(ぜいたく)だったが、宝暦(1751~64)のころからは金魚売りの露店も出て、一般庶民の間にも広まり」https://imidas.jp/jidaigeki/detail/L-57-122-08-04-G252.html

「江戸、京都、大坂の三都ともに金魚を楽しむ風習があり、特に町々を売り歩く金魚売りは、夏の風物詩となっていた」

とある(仝上)。「蘭虫」や「朝鮮」の珍しいものは、3両から5両もした。縁日では、桶を並べて金魚を売る業者がおり、これを買った者は「金魚玉」と呼ばれるガラスの容器に入れて持ち帰り、軒につり下げて鑑賞した(仝上)、らしい。上からも、下からも見えるガラスの器は風鈴のように軒に掛けられたものらしい。

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(喜多川歌麿「金魚玉を持つ女」 https://hikarataro.exblog.jp/18804236/より)


「金魚愛好が広まったのは、延享5年(1748年)に出版された金魚飼育書である安達喜之『金魚養玩草』の影響が大きい」

ともあるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%AE%E3%83%A7。同時に、

化政文化期に現在の三大養殖地(奈良県大和郡山、愛知県弥富、東京都江戸川)で大量生産・流通体制が確立し、金魚の価格も下がったことから本格的な金魚飼育が庶民に普及する。品評会が催されるようになったほか、水槽や水草が販売され始めるなど飼育用具の充実も見られた。幕末には金魚飼育ブームが起こり、開国後日本にやってきた外国人の手記には、庶民の長屋の軒先に置かれた水槽で金魚が飼育されているといった話や金魚の絵などが多く見られる、とある(仝上)。

金魚売は、夏の間、涼しい時間帯に、

「きんぎょ~え~、きんぎょ~」

と売り歩く。

「天秤棒に提げたたらいの中に金魚を入れ、独特の甲高い売り声を上げながら街中をゆっくりとした足取りで売り歩いた。金魚売の多くは日銭を稼ぐために短期で勤めていたものらしく、冬になると扇の地紙売りなど別の仕事を請け負っていたようである」

とあるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E9%AD%9A%E5%A3%B2

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(歌川国貞『東都見立夏商人』「金魚売」 http://www.edomono.jp/blog/?p=425より)

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(喜田川守貞「守貞漫稿」金魚売り http://www.photo-make.jp/hm_2/kingyo.htmlより)


「守貞漫稿」には、

「振売」「棒手振り」(ぼてふり)、

商売として、

「油揚げ、鮮魚・干し魚、貝の剥き身、豆腐、醤油、七味唐辛子、すし、甘酒、松茸、ぜんざい、汁粉、白玉団子、納豆、海苔、ゆで卵」

等々、食品を扱う数十種類を紹介しているが、食品以外にも、

ほうき、花、風鈴、銅の器、もぐさ、暦、筆墨、樽、桶、焚付け用の木くず、笊、蚊帳、草履、蓑笠、植木、小太鼓、シャボン玉など日用品。
子供のおもちゃ、

金魚、鈴虫・松虫などの鳴き声の良い昆虫、
錦鯉、

等々を商っていた、とあるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8C%AF%E5%A3%B2

参考文献;
大槻文彦『大言海』(冨山房)

ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評
http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

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posted by Toshi at 04:31| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする