2019年11月27日


「麩」は、

ふすま、

と訓むと、

小麦をひいて粉にするとはに残る皮の屑、

を指し、

麬(フ)、

とも当てる。

もみじ、
からこ、
むぎかす、
こがす、

ともいう。

洗い粉、牛馬の飼料にする(広辞苑)。普通小麦 100に対し,22~25%の比率でできる、という(ブリタニカ国際大百科事典)。

「麩」(フ)は、

「形声。『麥+音符夫(皮)』で、平らに散りしく穀皮の意」

とあり(漢字源、日本語源広辞典)、「麩」は、

ふすま、
むぎかす、

の意である。いわゆる「おふ」の意で使うのは、わが国だけらしい。大言海は「麩」の項で、

「ムギカス。小麦粉のフスマ。即ち、洗粉に用ゐるもの。中世、誤りて、豆腐皮(トウフノウバ)に此字を用ゐたり(鹿苑日録)」

と記す。「麩」は、中国では、

麺筋(麪筋、めんきん、麵筋/面筋、miànjīn)、

と呼ばれ、宋代に書かれた『夢渓筆談』にもその名が登場する。日本では、

「『麩』という字で麬(ふすま)を指し、後にその加工品である麪筋にもこの字が当てられた(『本朝食鑑』)また、小麦そのものが中国大陸から伝来されたことから唐粉(からこ、殻粉)とも称した。鎌倉時代には唐粉を宮廷に貢納する供御人(唐粉供御人)がいた。「麩=ふ」としての最古の記録は南北朝時代に書かれた『嘉元記』正平7年(1352年)5月10日条に登場する「フ」の記述である」

とあるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BA%A9

いまの製法は、

「小麦粉に食塩水を加えてよく練って生地を作り、粘りが出たところで生地を布製の袋に入れて水中で揉む。デンプンが流出した後に残ったグルテンを蒸して生麩(もち麩)が作られる。生麩を油で揚げると揚げ麩になる。生麩を煮てから成形して乾燥させると乾燥麩になる。(中略)グルテンに、小麦粉、ベーキングパウダー、もち米粉などを加えて練り合わせ、焙り焼きしたものが焼き麩である。」

とある(仝上)が、昔の作り方は、

「小麦粉のフスマと分離しない粗い粉を桶に入れて水でこねる。足で踏んでねばり気が出てから桶の下にざるを置いて、その上でこね粉を取り入れて、水をかけながらもむと、澱粉はほとんど洗い流されて、ざるの目から桶の底に沈む。これが『しょう麩』になり、ざるの中に残ったねばったものが『なま麩』になる」

とある(たべもの語源辞典)。

中国では麩の原料のグルテンを、

麩質(ふしつ、麩質/麸质、fūzhí)、
もしくは
麩質蛋白(ふしつたんぱく、麩質蛋白/麸质蛋白、fūzhídànbái)、

と呼ぶhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BA%A9らしいが、

「麩質は主に外皮の内面にある。麩(フスマ)と分離せぬ粗粉を用いる」

のは、そのためのようである(たべもの語源辞典)。室町時代初期に明から渡来した禅僧によって製法が伝来したが、

「僧院がこれを用いたので、在家では、精進のたべものと考え、仏事・法要以外には常用しなかった」

もの(たべもの語源辞典)が、次第に、貯蔵食品として重用され、年中食べ物で、乾燥四天王、

麩、
湯葉、
凍豆腐、
椎茸、

のひとつとなった(仝上)。

麩の種類は、

生麩(なまぶ、俗に蒸麩(むしふ)ともいう)、
焼麩(やきふ)、
揚げ麩(あげふ)、
乾燥麩、

等々があるが、生麩には、

「竹輪形にした竹輪麩、すだれでおしつけた形のある簾麩、すだれふに似て厚い相良麩、また御所麩とよばれるものもある」

焼麩には、

「四角の板形の板麩、角麩、渦を巻いた黄渦麩(うづぶ)、菊の花形をした菊麩、切った切麩、主に金魚の餌になる金魚麩、車の形にした車麩、丸形にして中に筋模様のある観世麩、小型の罌粟麩、七色の色分けになった七色麩、牡丹の花型をした牡丹麩、紅葉の形をした楓麩(もみじぶ)がある」

とある(たべもの語源辞典)。

一般的な焼き麩.jpg

(一般的な焼き麩 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BA%A9より)


参考文献;
清水桂一『たべもの語源辞典』(東京堂出版)

ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

ラベル: ふすま
posted by Toshi at 05:01| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする