2020年03月06日

坊主


「坊主」は、

房主、

とも当てる。「房主」は、

ぼうしゅ、

とも訓ませた(日本大百科全書)。

一坊の主僧、

つまり、

寺の住職、

を指し、広く、

僧侶一般、

をも指すようになり、剃髪している姿から、

髪を剃っている頭、その人、
あるいは、
剥げていること、

をも指すようになる。

腕白坊主、

というような子供(男の子)を指すのは、江戸語大辞典に、

坊主頭の略、

とあるように、頭を刈っているせいかもしれない。同じく、

三日坊主、
てるてる坊主、

等々というときに使うのは、「てるてるぼうず」http://ppnetwork.seesaa.net/article/459687387.htmlで触れたように、

てり雛・てり法師・てりてり坊主・てるてる・てるてる法師・てるてる坊主・てれてれ法師、

という異称があり、

法師→坊主、

と転じた可能性がある。「坊」は、

区画された街、

を指し、

坊門、
京坊、

等々と使うが、都城制の一区画、

四町四方の称、

とある(広辞苑)。その条坊から、「坊主」の語源を見る説がある。

「坊」は奈良時代・平安時代の都城制で区画された一部のことで、四面を大路に囲まれた言った言葉である。平安京で四町四方を「坊」と称したのも、この「坊」に由来する。のちに、「坊」は大寺院に所属する小さな寺院をさすようになり、寺院内の一坊の主人・寺坊の住職を「坊主」というようになり、室町以降、「一坊の主人」の意味が転じて、一般僧侶の俗称になった(語源由来辞典)。

しかし、ちょっといかがであろうか。インドでは、

仏教の修行者たちが集まって共同生活している場所をヴィハーラ (vihara) と呼んでいましたが、これを漢訳する時に、〈僧院として区画された所〉 ということから「僧坊」と訳されました。

とあるhttps://mobility-8074.at.webry.info/201702/article_5.html。ヴィハーラは、

寺院(じいん、梵、巴: विहार vihāra)、

を指すhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BA%E9%99%A2

「寺」の由来については、「寺」http://ppnetwork.seesaa.net/article/473674598.htmlで触れたが、

仏教の出家者が起居し、修行を行う施設、

である。で、

僧坊、
とか、
寺坊、

は、

寺院内において僧侶が生活を送る居住空間及びその建物自体、

を指すhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%83%A7%E6%88%BF、とある。

インドのヴィハーラの中の、一人ひとりの修行者が生活する小さな舎あるいは一室をラヤナ (layana) またはクティー (kuti) といいましたが、これは「房舎」とか「房」と漢訳されました。

とあるhttps://mobility-8074.at.webry.info/201702/article_5.htmlのはその意味かと思われる。

元興寺極楽坊 本堂.jpg

(元興寺極楽坊・本堂 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%83%E8%88%88%E5%AF%BAより)


古代日本の寺院伽藍の構造においては全体の北側の区域に講堂を南側として、東室(ひがしむろ)・北室(きたむろ)・西室(にしむろ)の3棟の僧房を設置した。これを三面僧房(さんめんそうぼう)と呼んだ、

とある(仝上)が、

平安時代に台頭した天台宗や真言宗では巨大な僧房は設置されず、既存の宗派(南都六宗)でも私僧房である子院を建てる高僧が登場した。また、僧房でも高僧が1人で房を独占したり、仏堂や御影堂に改装されるようになり、鎌倉時代から室町時代にかけて本来の機能を喪失していった、

とあり(仝上)、この私僧房には、

○○房(○○坊)という個別の名(房号・坊号)がつけられるようになり、大寺院に付属する子院や塔頭の名となるようになった(京都寂光寺の本因坊など)。一方で、私僧房は寺院における寺務所・住僧の住まい(庫裏)となり、大寺院の僧房でその寺の寺務を取り仕切る僧房は本坊(ほんぼう)と称されるようになった、

ある(仝上)。この、

僧房の主、

が、

房主、

つまり、

坊主、

の由来ではあるまいか。日本語源広辞典は、

僧房+主、

としている。僧侶の意である、

法師、

は、特定の房(坊)を持つ「坊主」に対して、

自らの坊(僧房)を持たない僧侶、

を指した。しかし、本来、「法師」は、

法(のり)の師、

つまり、

仏教の師、

を意味する。

本来、法師とは仏教、及び仏教の教義が説かれている経典に詳しく、人の師となるほどの学識・経験を備えた僧侶に対する敬称。戒律に詳しい僧侶を律師、禅定修行に長けた者を禅師と呼称する事と同様、

とあるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E5%B8%AB。それが、日本では、中世以降、

琵琶法師、
一寸法師、
起き上がり小法師、
影法師、
つくつくぼうし、

等々どうも軽んじられるに至っている。

参考文献;
増井金典『日本語源広辞典』(ミネルヴァ書房)

ホームページ;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;
http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

ラベル:坊主 法師 房主
posted by Toshi at 04:48| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする