2020年06月18日

今川焼


「今川焼」は、

銅板に銅の輪型をのせ、水で溶いた小麦粉を注ぎ、中に餡をいれて焼いた菓子、今は輪の代わりに多数の円形のくぼみをもつ銅の焼型を用いる、

もののことで、大言海には、

銅の版に、胡麻の油を延(こ)き、銅の輪を載せ、うどん粉を水に溶かしたるを注ぎ入れ、餡を包み、打ち返して炙(や)きたるもの、

と載る。この方が当時の作りの方がよくわかる。

今川焼.jpg


江戸時代中期の安永年間(1772~1780)、江戸市内の名主今川善右衛門が架橋した今川橋付近の店で、桶狭間合戦にもじり「今川焼き」として宣伝・発売し評判となった、

とあるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%8A%E5%B7%9D%E7%84%BC%E3%81%8D。あるいは、

神田の今川橋埋立地にあった露店が売り出した焼き菓子が由来ではないか、

とされているhttps://dic.nicovideo.jp/a/%E4%BB%8A%E5%B7%9D%E7%84%BC%E3%81%8Dのが正確かもしれない。他に、

駿河国などを治めた守護大名・戦国大名、今川氏の家紋である二つ引両(引両紋)を由来とする説、

もあるらしいが、江戸時代の文献にはそのような記述は見受けられないらしい。今川橋は、

天和年間(1681年-1684年)に神田の名主であった今川善右衛門が竜閑川(神田堀)に掛けた橋で、今川橋埋立地は1869年(明治2年)に神田今川町、翌年に川を境にして神田西今川町・神田東今川町に分けられた。竜閑川は1950年(昭和25年)には全て埋立られてしまい、また西今川町は1935年(昭和10年)、東今川町は1965年(昭和40年)に消え、現在は鍛冶町一丁目、内神田三丁目(旧・鎌倉町)、岩本町一丁目のそれぞれ一部となってしまっているが、今川橋の名は交差点名として現在も残っている、

とある(仝上)。江戸語大辞典には、

はま千鳥禿(かむろ)があどなき噺合手も……今川焼の児僕(こぞう)とはなんなりぬ(天明四年・浮世の四時)

と載る。

後に、(大型の)小判状をした型を使用したものが全国各地に大判焼き(おおばんやき)として広がった。その名称は、「今川焼」という名称は全国各地に広がっているが、

二重焼き(広島県)、
大判焼き(東北や東海地方、ま四国地方など)、
小判焼き(西日本)、
巴焼き、
義士焼き、
太鼓饅(太鼓饅頭、太鼓焼き 西日本各地、)、
太閤焼き、
回転焼き(回転饅頭 大阪市、堺市、九州・山口地方など)、
文化焼き、
大正焼き、
復興焼き、
自由焼き、
夫婦まんじゅう(フーマン)、
御座候(兵庫県、大阪府など全国各地)、
おやき(北海道、青森県、茨城県西部など)、

等々(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%8A%E5%B7%9D%E7%84%BC%E3%81%8D、語源由来辞典)、形状や地域、店により他にもさまざまな呼び名がつけられて普及した(仝上)。その他にも、

浅草焼(青森県)、あじまん(山形県ほか)、甘太郎焼(埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県、群馬県)、画廊まんじゅう(静岡市清水区)、御紋焼(奈良県天理市)、しばらく(滋賀県長浜市)、じまんやき(富士アイス系列)、人工衛星饅頭(兵庫県神戸市)、ずぼら焼き(兵庫県神戸市)、太郎焼(埼玉県川口市・越谷市、福島県会津若松市ほか)、天輪焼(三重県松阪市)、七越焼き(三重県松阪市)、花見焼き(埼玉県蕨市)、日切焼(愛媛県松山市)、びっくり饅頭(広島県呉市)、ヒット焼き(愛媛県新居浜市)、武家まん(愛媛県新居浜市)、横綱まんじゅう(岡山県津山市)、蜂楽饅頭(熊本県熊本市、鹿児島県、福岡県)、あづま焼(静岡県浜松市・磐田市)、きんつば(千葉県・福島県・新潟県)、

等々という名のものもある(仝上)。日本の植民地支配の影響で、台湾では、

車輪餅(チャールンビン)、

韓国では、

オバントク/オバントック、

という名で食べられているらしい(仝上)。

地域・店舗によっては、

カスタード、抹茶あん、チョコレート、

などの中身があり、単純に言えば、「今川焼」は、

鯛焼きが鯛の形ではなく、丸く分厚くなったようなお菓子、

であるhttps://dic.nicovideo.jp/a/%E4%BB%8A%E5%B7%9D%E7%84%BC%E3%81%8D。現に、「鯛焼き」は、

現在も麻布十番商店街にお店を構える浪花家総本店さんが「今川焼きが売れないから縁起のいい鯛の型にしてみよう」と閃き販売を開始、その後飛ぶように売れたことから広まっていった、

とあるhttps://uzurea.net/about-name-of-imagawayaki/

参考文献;
前田富祺編『日本語源大辞典』 (小学館)
大槻文彦『大言海』(冨山房)

ホームページ;http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

posted by Toshi at 03:26| Comment(0) | カテゴリ無し | 更新情報をチェックする