2020年06月22日

あられ


「あられ」は、

霰、

と当てる。「霰」(漢呉音セン、慣用サン)は、「あられ」の意だが、白い賽の目状のもの、あるいは餅菓子のあられ餅の意で使うのは、わが国だけである。

「あられ」は、

水滴が付着して凍り、白色不透明の氷の小塊となって地上に降るもの、

の意である(広辞苑)。今日、「あられ」は、

雲から降る直径5mm未満の氷粒、

とされ、

5mm以上のものは雹(ひょう)、

として区別されるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9C%B0が、違いは大きさだけである。古くは、「雹」をも含めて、「あられ」といった(広辞苑)。また、

凍雨、

を含めて、あられと総称することもある(仝上)、らしい。

あられの粒.png

(あられの粒 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9C%B0より)

「あられ」は、

雪あられ、
氷あられ、

に区別され、「雪あられ」は、

雪の周りに水滴がついたもので白色不透明。気温が0度付近の時に発生しやすく、

「氷あられ」は、

白色半透明および不透明の氷の粒。発生原理は雹と同じで、積乱雲内で発生する。ともに地面に落下すると、パタパタと音を立てる、

とされるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9C%B0。単にあられと言った場合、雪あられをさすこともある(仝上)。

「あられ」は、

散(あら)くの語根を重ねて、あらあら、あららの約轉なるべし、

とするのが大言海、

あられとは、散(アラレ)なり、迸り散るの義なるべし、日本紀に、散の字、読みて、アラケと云ふが如き、是れなり(東雅)、

も同趣。日本語源広辞典の、

アラ(粗)+レ(接尾語)、

も関連する。「散(あら)く」は、

疎く、

とも当て(岩波古語辞典)、

粗(アラ)を活用せしむ、疎疎(アララ)になる意、

とあり(大言海)、

散(あら)ぶ、

という語もある。「あら(粗・疎)」は、

こまか(濃・密)の対、

で、

アラアラ(略・粗)・アラク(粗)・アライミ(粗忌)・アラキ(粗棺)などのアラ。物がバラバラで、粗略・粗大である意を表す。母音交替によってオロと転じ、オロカ・オロソカの形で使われる、

とある(岩波古語辞典)。ただ、蛇足ながら、

荒、

と当てる「あら」は、

にき・ニコ(和)の対、

で、

アラカネ(鉄)・アラタマ(璞)・アラト(磺)ノアラで、物が生硬・剛堅で、烈しい、

意を表し、「粗」と当てる「あら」とは起源は別であったが、後に、「荒」一字で両義を意味するようになった(岩波古語辞典)、とある。

小さい粒状の氷塊がパラパラと降るさまは、確かに、

粗、

あるいは、

あらあら、

の感じである。

あられの天気記号(日本式).png

(あられの天気記号(日本式) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9C%B0より)

なお、あられ餅(霰餅)の「あられ」については、「煎餅」http://ppnetwork.seesaa.net/article/468559673.htmlで触れた。

参考文献;
前田富祺編『日本語源大辞典』 (小学館)
大槻文彦『大言海』(冨山房)
大野晋・佐竹 昭広・ 前田金五郎編『古語辞典 補訂版』(岩波書店)

ホームページ;http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

ラベル: あられ
posted by Toshi at 03:31| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする