2020年07月22日

おしんこ


「おしんこ」は、

御新香、

と当てる(広辞苑)。

しんこ、

の意である。

新香、

しんこうの約、

である。

新しい香の物、

つまり、

新着け、

の意である。「しんこう(新香)」「おしんこう(御新香)」「おしんこ」は、

かつては新鮮な野菜の色を失わない浅漬けの物、

を指したがが、今日、

漬物、

の意で用いる。多く、関西では

かうかう、
かうこ、
おかうこ、

は、今日、

沢庵漬、

を指し(大言海)、「おしんこ」も、

沢庵漬け、

をさすことが多い、とあるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BC%AC%E7%89%A9

「漬物」を、

こうこう(香々)、
おこうこう(御香々)、
こうのもの(香の物)、

等々と呼ぶのは、

こうのもの(香の物)、

からきている(仝上)。

「香の物」の「香」は、

味噌、

を指す(江戸語大辞典・https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BC%AC%E7%89%A9・大言海・大日本国語辞典・碩鼠漫筆等々)、とする意見が大勢だが、たべもの語源辞典は、それを否定し、

においがたかいものということで香物とよぶ。奈良時代に漬物がはじまる。香(か)は気甘(きあま)、あましは、あーうましの意である。香物は、うまいにおいをもったたべものの意。大根・瓜など味噌の中につけて味噌の香気をうつしたので香物という説があるが、味噌だけでなく、塩・味噌・酒粕などに漬けた蔬菜でにおいのあるものを香物という、

とする。確かに一理あり、味噌だけではない気がするが、「味噌」を、女房詞で、

香、

と呼んだことは確かで、室町時代の大上臈御名之事には、

女房詞、汁のしたりのミソを、カウの水と云ふ、

とあり(大言海)、江戸初期の慶長見聞集には、

凡そ味噌と云ふことを香と云ふ、みそは、一切の物に染みて匂ひよく、味よき故に、香と名づけたり、

とある。また、雍州府志(1684)によると、

木芽漬はアケビ,スイカズラ,マタタビなどの新芽を細かく切って塩漬にしたもの,烏頭布漬はいろいろな植物の新芽をとりまぜて塩漬にしたものであった。室町期には,香(こう)の物,奈良漬といったことばが現れてくる。前者は,みその異名を〈香(こう)〉というところから,本来はみそ漬をいったことばだとされる、

とある(世界大百科事典)。ただ、だから、香の物が、

味噌漬、

の代名詞だったかどうかまでははっきりしない。岩波古語辞典は、

野菜を味噌・酒粕・糠・塩などで漬けた、

とある。糠は「沢庵」http://ppnetwork.seesaa.net/article/476431744.html?1595271605で触れたように、米ぬかが普及したのは江戸初期だが、必ずしも味噌だけではないのではあるまいか。だから、

香りのするもの(香+の+物)(日本語源広辞典)、
カウは香々の略か(於路加於比)、
カウ(糠)の物か(和句解)、
香を判別するには、漬物の匂をかぐことによって香の混同を防ぐことが出来ることから、漬物を香の物という(四方の硯・孝経楼漫筆)、

等々、「香り」由来とする説が多いが、味噌のみに限定する必要はなさそうに思うのだが。

ぬか漬け.jpg


参考文献;
清水桂一『たべもの語源辞典』(東京堂出版)
大槻文彦『大言海』(冨山房)

ホームページ;http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

posted by Toshi at 03:45| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする