2020年07月24日

糠味噌漬


「糠味噌漬」は、

糠味噌に漬けた漬物、

の意で(広辞苑)、

塩糠に生大根・生茄子・生瓜を漬けたもの、

とあり(江戸語大辞典)、守貞謾稿には、

京阪にては浅漬と云、江戸にては糠味噌漬と云、

とある。

どぶつけ(溝漬)、
ぬかづけ(糠漬)、

ともいう(大言海)が、「糠漬け(ぬかづけ)」は、

乳酸菌発酵させて作った糠床(ぬかどこ)の中に野菜などを漬け込んで作る糠味噌漬け(ぬかみそづけ)、どぶ漬け、どぼ漬けとも呼ばれるもの、

と、

大根を漬けた沢庵や糠ニシン、糠サンマのように材料に塩と糠をまぶして漬けたもの、

の双方を呼ぶhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B3%A0%E6%BC%AC%E3%81%91ともあり、「糠漬」の概念の方が広く、厳密には、

米ぬか・塩・水を混ぜ、乳酸発酵させて作ったぬかみその漬け床(ぬか床)に野菜などを漬け込むこと、

をいう(世界の料理がわかる辞典)のだろう。

漬物屋店頭の糠漬け.jpg

(漬物屋店頭の糠漬け https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B3%A0%E6%BC%AC%E3%81%91より)

糠床で作る糠漬けでは、一般に胡瓜、茄子、大根といった水分が多い野菜を漬け込むことが多い。このほかにも肉、魚、ゆで卵、蒟蒻など多様な食材が利用される。あまり漬かっていないものは「浅漬け」「一夜漬け」と呼ばれ、長く漬かったものは「古漬け」「ひね漬け」などと呼ばれる(仝上)、

とあるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B3%A0%E6%BC%AC%E3%81%91

「糠味噌漬」は、

糠に鹽を混ぜ、麹などを加えたりして、桶に貯えておき、これに蔬菜などをつけて香の物にするのが糠漬、

である(たべもの語源辞典)。「糠漬」を、

糠味噌漬、

と呼んだのは、

古くは味噌としてつくった、

からである(仝上)。

糂粏(じんだ)味噌、
じんだ、
ささじん(酒糂)、

などといい、糠味噌を汁にして食べたからである。これを、

糠味噌、

と呼んだが、後に、糠漬を、

糠味噌、

というようになった(仝上)、とある

貞丈雑記(1784頃)に、

甚太味噌はぬかみその事なり。味噌の作り様に米の糠を入て作るみそあり。その事也、

とある(精選版日本国語大辞典)。「糂粏(味噌)」は、

五斗味噌、
後藤味噌、

をも指し、

大豆・糠ぬか・米麴こめこうじ・酒粕さけかす・塩をそれぞれ一斗ずつ混ぜて熟成させた味噌、

を指す(大辞林)。

糂汰の「糂」はサン、慣用音がジンである。糂は糝と同じである。糝(こながき)は羹に米の粉を混ぜて煮立てたものである。糂粏・糂汰・糝汰とも書く。いずれも「ぬかみそ」のことである、

とある(たべもの語源辞典)。「羹」は「羊羹」http://ppnetwork.seesaa.net/article/472187601.htmlで触れた。


平城京跡から出土した木簡に記された須須保利(すずほり)という漬物は、臼で挽いた穀類や大豆を塩と混ぜて床にした。現存はしないが、糠漬けの原型と推測されている。現在の形の糠漬けが出来たのは、江戸時代初期と言われている。須須保利の穀類・大豆の代わりに、精米の際に出る米糠を使った、

のであるhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B3%A0%E6%BC%AC%E3%81%91。糠に含まれる豊富な栄養を除いた白米に偏重した食事は脚気をもたらし、「江戸患い」と呼ばれた。漬け込みの過程で糠のビタミンB1が野菜に吸収されるため、糠漬けを副食とすることである程度、脚気を防ぐ効果があったと考えられている(仝上)、とある。。

ぬか漬け.jpg


なお、「糠」http://ppnetwork.seesaa.net/article/460643894.html、「味噌」http://ppnetwork.seesaa.net/article/471703618.html、については、すでに触れた。

参考文献;
清水桂一『たべもの語源辞典』(東京堂出版)

ホームページ;http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

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posted by Toshi at 04:00| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする