2020年08月09日

芥子


「芥子」は、

からし、

と訓むが、

かいし、
がいし、
けし、

とも訓む。また「芥子」は、

辛子、

とも当てる。正倉院文書にあり、臼でついた意の〈舂芥子〉の語がある(世界大百科事典)ので、既に奈良時代に、芥子の粉末が使われていた(たべもの語源辞典)。また、延喜式には甲斐、信濃、上総、下総から中男作物などとして貢納されていた(仝上)。ちなみに、「中男作物」とは、

令制下の租税で、中男(大宝令では少丁)は17歳から20歳の男子。中央官庁が必要とする物品を、国郡司が中男を使役し調達して貢進したもの。中男が不足の場合は正丁(21歳から60歳の男子)の雑徭(ぞうよう)で補った、

とある(百科事典マイペディア)。

「芥子」は、

カラシナの種を粉にした、黄色で強い辛味がある香辛料、

であるが、

からしな、

の意もある(広辞苑)。

「からしな」は、

芥子菜、
芥菜、

と当て(仝上)、

アブラナ科アブラナ属の越年草、

で(仝上)、

葉茎は油炒めやおひたし、漬物などに利用される。タカナ(高菜)やザーサイ(搾菜)は、カラシナの変種。沖縄県ではシマナー(島菜)と呼ばれ、塩漬けや炒め物などに多用される、

とありhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%8A、種子が、

からし(和からし)の原料となりオリエンタルマスタードとも呼ばれる、

とある(仝上)。

カラシナ(芥子菜).jpg


「芥」(漢音カイ、呉音ケ)は、

会意兼形声。「艸+音符介(カイ 小さく分ける、小さい)」、

で、

からしな、

の意であり、

その実、

の意でもある(漢字源)。まさに「からし」の意である。「芥子(カイシ)」も、同義で、

からしな、またその実、

の意である(字源)。厳密には、

「芥」でカラシナを意味し、「芥子」はカラシナの種子の意味、

ということになるがhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%8A

「からしな」は、

アブラナ科アブラナ属の越年草、

で(仝上)、

葉茎は油炒めやおひたし、漬物などに利用される。タカナ(高菜)やザーサイ(搾菜)は、カラシナの変種。沖縄県ではシマナー(島菜)と呼ばれ、塩漬けや炒め物などに多用される、

とあり(仝上)、種子は、

からし(和からし)の原料となる。マスタード(洋からし)の原料として利用されるシロガラシは、同じアブラナ科の別種、

とある(仝上)。

「芥子」の語源は、

辛しの義、

であり(大言海)、

形容詞の終止形を名詞とす、

である。

罌粟(ケシ)が渡来すると、芥子がケシの意味で使われたので、カラシかケシか判断に苦しむ、

とあり(たべもの語源辞典)、江戸時代の料理本に、

芥子、

とあるのは、ほとんどケシのことである(仝上)。そこで、

辛子、

の字を用いるようになった、という経緯らしい(仝上)。

辛子酢・辛子味噌・辛子和え、

は室町時代から盛んになるが、

辛子漬、

は江戸時代、

ときがらし、
水がらし、

が現れるのは、江戸末期という(仝上)。納豆に辛子を用いるのも、その頃からである。

参考文献;
清水桂一『たべもの語源辞典』(東京堂出版)
大槻文彦『大言海』(冨山房)

ホームページ;http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

ラベル:けし からし 芥子
posted by Toshi at 03:56| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする