2020年10月09日

おらんだ煮


「おらんだ煮」

は、

食材を油で揚げたもしくは炒めた後、醤油、みりん、日本酒、出汁などを合わせて作る煮汁にトウガラシを加えて煮た料理、

とありhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%80%E7%85%AE

油で揚げた後に煮ることで食材の外側と内側で異なる食感が発生する点、

が特徴で、食材には、

ナスやこんにゃくを用いることが多いが、鶏肉やジャガイモ、高野豆腐、魚を使用したオランダ煮も存在する、

とある(仝上)。「オランダ煮」は、

長崎県から日本全国へと広まった西洋の調理法とされ、江戸時代に出島からオランダとの貿易を通して伝わったことから「西洋風の」という意味合いでオランダ煮の名前がついたとされている、

とある(仝上)。油で揚げる、のが特色である。

そういえば、卓袱料理http://ppnetwork.seesaa.net/article/471380539.htmlも、その精進パターンの「普茶料理」http://ppnetwork.seesaa.net/article/474648427.htmlも、「全て油をもって佳味とす」(料理山家集(1802))というものであった。その両者から発した「けんちん」http://ppnetwork.seesaa.net/article/477345064.htmlも、また油を使うところが特徴であった。

なすのオランダ煮.jpg

(ナスのオランダ煮 https://www.orangepage.net/recipes/detail_110855より)

しかし、「オランダ煮」は、

タイを丸のまま揚げてから酒だけで長く煮ると、骨まで食べられるようになる。あとで醤油で味つけする、

と、料理をさす、とある(たべもの語源辞典)。端緒が何であったかはっきりしないが、


食材を油で揚げたり炒めた後に、醤油、みりん、出汁などの調味料で煮て味付けた料理、

であるようだhttps://macaro-ni.jp/40347

唐辛子を加えて煮ることも多く、甘辛い味付けが特徴です。油で揚げた後に煮る場合は、食材の外側と内側の異なった食感や、噛みしめたときにあふれる出汁もたのしめます、

とある(仝上)。

おらんだ飛竜頭(ひりゅうず)、
おらんだ味噌、
おらんだ餅、

と「おらんだ」の名のつくものの共通項は、

胡麻油とか、かやの油などを用いて揚げる、炒めること、

にあるらしい(たべもの語源辞典)が、

おらんだ卵、

は、浅葱を使っていることから、

おらんだ漬、

は、

辛子を使っているのでこの名がついた、とある(仝上)。洋風のめずらしい調理法をもちいたものに、

おらんだ、

と名をつけたようだが、それは鎖国になってからの話で、その前には、「南蛮煮」http://ppnetwork.seesaa.net/article/477732906.htmlで触れたように、南方から渡来したものに、「南蛮」(スペイン・ポルトガルを指す)と付けられ、唐辛子も、

南蛮からし、
南蛮胡椒、

といい(仝上)、

南蛮菓子(カステラ、ボウル等々)、
南蛮黍(とうもろこしの異名)、

等々もある(大言海)。「南蛮煮」は、

葱、大根、魚、鳥の肉など、すべて油にて煮たるもの、

とあり(大言海)、

鯔(ぼら)その他のなま魚のこけらをとって、下洗いし、丸焼きにして、油で揚げ、ネギの五分切りを入れて、煮出し汁と醤油とで煮たもの、

また、

すべて煮汁に唐辛子を加えて用いるもの、

とし(たべもの語源辞典)、

前者の南蛮煮は、日本ネギを加えているので南蛮煮とよばれる、

ともある(仝上)。これは、

唐辛子、
と、
ネギ、

が鍵である。また「アチャラ漬」http://ppnetwork.seesaa.net/article/477716279.html?1601666484で触れたように、「あちゃら漬」は、

蓮根・大根・筍・蕪などを細かく刻んで、唐辛子を加えた酢・酒・醤油・砂糖などに漬けた食品、

で(広辞苑)、近世初頭に、南蛮貿易を通して日本に入ったといわれる。「あちゃら漬」の「あちゃら」に似た音で「漬物」を表している言葉が、インドの「アチャール」、フィリピン・インドネシアの「アチャラ」、ネパールの「チャーレ」、アフガニスタンの「オチョール」など各地に見え、これらは同源と考えられる、

とある(語源由来辞典)ので、少なくとも、ポルトガル人の進出に合わせて伝搬したようだ。ただ、南蛮由来とされる料理、

オランダ煮、
南蛮漬け、

も唐辛子を使うことが特徴なのでhttps://oisiiryouri.com/acharazuke-gogen-imi-yurai/、「アチャラ漬」もそうした伝来のひとつとみられる。

こうみると、「オランダ煮」も、広く、

南蛮料理の一種、

と、みなされるが、鎖国後の、唯一の西洋である「オランダ」が、排除されたポルトガル・スペインの「南蛮」に代わったものとみていい。違いがあるとすると、必ずしも、

唐辛子、

ネギ、
に、

拘泥していないところのように見える。

参考文献;
清水桂一『たべもの語源辞典』(東京堂出版)

ホームページ;http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95

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posted by Toshi at 04:28| Comment(0) | 言葉 | 更新情報をチェックする