三成の裔

白川亨『石田三成とその子孫』を読む。 「あとがき」にあるように、 「私の二十年に及ぶ石田三成の足跡追及の旅も、本書をもっておわることになる」 とあるように、 白川亨『石田三成の生涯』(http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3-11.htm#%E4%B8%89%E6%88%90%E5%83%8F)、白川亨『石田三成とその一族』(htt…

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坐禅豆

「坐禅豆」は、 ざぜんまめ、 と訓むが、 ざぜまめ、 とも言う(広辞苑)。 黒豆を甘く煮しめたもの。坐禅の際、小便を止めるために食べる習わしがあったことから、この名を得た、 という(仝上)。黒大豆は、 大豆の豊富な健康機能性成分に加え、ポリフェノールの一種、アントシアニンも含まれるため、夜間頻尿の改善にも役立つらしい、 とある(http://b…

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さつま揚げ

「さつま揚げ」は、 薩摩揚げ、 とあてるが、 すり身にした魚肉に、食塩、砂糖、でんぷんなどを加え、適当な形にして油で揚げたもの、 で、 人参の細切り・笹がき牛蒡などを混ぜる場合もある、 とある(広辞苑)。大言海には、 魚肉を細かく叩きたるものと、鹽、豆腐、片栗粉とを、煮出汁にて擂りまぜ、茹でたる胡蘿蔔(にんじん)を細く刻みたるを加へて、三寸許りに扁(…

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あたりきしゃりき

「あたりきしゃりき」は、 あたりきしゃりきのこんこんちき、 とか、 あたりきしゃりき車引き、 と言ったりする。「こんこんちき」(http://ppnetwork.seesaa.net/article/478473295.html)については触れたが、「あたりき」は、 (職人のことば。主に明治期に用いた)「あたりまえ」を語呂よく言った語、 とある(広辞苑)。…

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ニンジン

「ニンジン」は、 人参、 と当てる。「ニンジン」(人参)は、 オタネニンジン(御種人参)、 を指し、 朝鮮人参、 を言う(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3・大言海)。または、 高麗人参、 とも言い、 ウコギ科の多年草。 いわゆる「ニン…

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物色

「物色」は、 室内を物色する、 というように、 多くの中から探し求める、 意で使うが、漢語由来であり、文字通り、 物の色、 の意味であり(字源)、菅原道真の漢詩文集では、 物色と人情と計会すること愚かなり、 と(菅家文草)、 風物景色、 の意で使っている(広辞苑)。万葉集の、 さを鹿の 朝立つ野辺の 秋萩に 玉と見るまで 置け…

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ぶっきらぼう

「ぶっきらぼう」は、 言動に愛敬がないこと、 とある(広辞苑)が、ちょっとニュアンスが違い、 不愛想、 のような気がする。大言海は、 打切坊、 とあて、 木強(きすげ)なること、木の切れ端のやうなること、質朴すぎて愛敬なきこと(東京)、 の意とする。「木強」(http://ppnetwork.seesaa.net/article/4767090…

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ぶっちょうづら

「ぶっちょうづら」は、 仏頂面、 と当てるが、 仏頂顔(ぶっちょうがお)、 ともいう。「仏頂」だけでも、 仏頂面、 の意味になるが、 仏の頭頂、仏の肉髻(にっけい)、 の意味と、 仏頂尊(ぶっちょうそん)の略、 の意味がある(広辞苑・精選版日本国語大辞典)。「肉髻」は、 仏・菩薩の頭の頂上に隆起した、髻髻(もとどり)の形のよう…

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左近伝説

花ヶ前盛明編『島左近のすべて』を読む。 本書は、島左近を、 参謀、 だの、 軍師、 だの、 と、当時ありもしない役割を押しつけて、 参謀の身でありながら、最前線で采配を振るったことが、軍師として大きな誤算だった、 等々と決めつけている段階で、讀むに値しない「俗書」の部類であることを証明している。 本書はともかく、通称、 島左近、 …

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白酒

「白酒」は、 しろき、 しろさ、 しろささ、 と訓むと、 御神酒(おみき)の一種、 を指す。「さけ」(http://ppnetwork.seesaa.net/article/451957995.html)で触れたように、「き」は「さけ」の古名。 新嘗祭、大嘗祭に供え、 黒酒(クロキ)、 と並べ称す、とある(大言海)。白酒(しろき)、黒酒(くろき)…

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そのとき

O・クルマン『キリストと時』を読む。 本書は、サブタイトルに、 原始キリスト教の時間観及び歴史観、 と題されている。別段、キリスト教に造詣があるわけではないので、正直、よく分からない箇所が何ヶ所かあったのは事実だし、キリスト教の学問としてのパースペクティブを持たないので、本書がどんな位置づけになっているのかも分からないまま言うのもおこがましいが、細部にわたる論旨の細…

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なゐ

「なゐ」は、 地震、 と当てる(岩波古語辞典)。「地震」(じしん)は、漢語である。中国春秋時代を扱った歴史書『国語』の周語に、 陽伏而不能出、陰遁而不能蒸、于是有地震、 とある(字源・大言海)。「なゐ」は、 地震の古言、 である(大言海)。字類抄に、 地震、なゐ、 とある(仝上)。 ナは土地の意、ヰは場所や物の存在を明らかにする語尾(広辞…

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「な」は、 肴、 魚、 菜、 と当てる。「肴」(http://ppnetwork.seesaa.net/article/477167042.html)で触れたように、「肴」(漢音コウ、呉音ギョウ)は、 会意兼形声。「肉+音符爻(コウ 交差する)」で、料理した肉を交差させて俎豆(ソトウ)の上に並べたもの、 とあり(漢字源)、 食べるために煮た魚肉、 の意…

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こなみ

「こなみ」 は、 前妻、 嫡妻、 と当て、 後妻、 次妻、 とあてる「うはなり」の対とされる(岩波古語辞典)。「こなみ(前妻)」「うはなり(後妻)」は、『古事記』神武紀に、 宇陀(うだ)の 高城(たかき)に 鴫罠(しぎわな)張る 我が待つや 鴫は障(さや)らず いすくはし 鯨障(さや)る 前妻(こなみ)が 菜乞はさば 立そばの 実の無けくを こきしひゑ…

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あざとい

「あざとい(あざとし)」は、 思慮が浅い、小利口である(広辞苑)、 無知浅薄だ、小利口だ、大人が子供っぽい浅はかな言動をする形容(岩波古語辞典)、 意で、 なま才覚あるをあざとしと云ふ(志不可起)、 とある(岩波古語辞典)。大言海は、「あざとい」に、 稚、 と当て、 あざとし「俗語なり、浅く聡しの義なるべし」(和訓栞後編)、 を引き、 …

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「粉」は、 こな、 と訓ませるが、 身を粉にする、 というように、 こ、 とも訓む。 「粉(こ)」は、 砕けてこまかくなったもの、 すりつぶした細かくしたもの、 という意で、 米の粉(コ)、 麦の粉(コ)、 石の粉(コ)、 等々と使う(大言海)。 「細かく砕く」という意のメタファ―か、 心身をひどく労する、 …

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こなす

「こなす」は、 熟す、 と当てる。「粉」(http://ppnetwork.seesaa.net/article/479033172.html?1608062156)で触れたように、「こなす」は、 粉(こ)になすが原義(岩波古語辞典)、 粉熟(な)すの義(大言海)、 コ(細・小)+なす(為す)(日本語源広辞典)、 とある。つまり、 粉にする、 義である…

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ことわり

「ことわり」は、 断、 理、 と当てる。「断」とあてる「「ことわり」は、 物事の理非を分かち定めること、判断、判定(源氏「中将はこのことわりを聞きはてんと」)、 申し訳、言い訳(源氏「いみじうことわりして聞こゆとも、いとしかるべいわざぞ」)、 前もって理由を告げること(浄瑠璃・淀鯉出世滝徳「きつう酔うて御座んす故、ことわりいうて内からお駕籠に召させます」)、 の…

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船場煮

「船場煮」というものがある。 塩鯖と短冊形に切った大根を昆布だしで煮た汁もの、 とある(広辞苑)。 塩または粕・味噌煮の肴と大切りの大根・人参などの野菜を取り合わせた鍋料理、 ともある(岩波古語辞典)。 船場汁、 船場鍋、 せんば、 ともいう(仝上・たべもの語源辞典)。 (さばの船場汁 https://www.nissui.co.jp/rec…

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あしびきの

「あしびきの」は、 足引の、 と当てる。奈良時代は、 あしひきの、 と清音であった(岩波古語辞典)。 「山」「を(峰)」にかかる枕詞である、 が、かかり方は未詳(仝上)、とある。万葉集には、 絶等寸(たゆらき)の山の峰(を)の上(へ)の桜花咲かむ春へは君し偲(しの)はむ(播磨娘子) あしひきの山のしづくに妹(いも)待つとわが立ち濡れし山のしづくに(…

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