得体の知れぬ人物

福島克彦『明智光秀―織田政権の司令塔』を読む。 「はじめに」で、著者は、光秀をこうまとめる。 「光秀の前半生はほとんどわからない。光秀本人が語るところでは、先祖は足利将軍家の御判御教書(ごはんみぎょうしょ)を保持した家柄であったという。しかし、光秀の時代は、すでに知行地は手放した状態であり、たとえ過去の御教書があっても役に立たないと認識していた(早島大祐『明智光秀』)。彼…

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