あざやか

「あざやか」は、 鮮やか、 と当てるが、 「あざむく」(http://ppnetwork.seesaa.net/article/480760102.html?1617131910)で触れたように、「あざやか」の「あざ」は「あざむく」の「あざ」と同根とする説がある。 アザはアザ(痣)・アザケル・アザムク・アザワラフのアザと同根、人の気持にかまわず、どぎつく現れるものの意…

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たぶらかす

「たぶらかす」は、 誑かす、 と当て、 だます、まどわす、 意だが、 たぶろかす(誑かす)の転、 とある(岩波古語辞典)。これは、 「たぶる」の他動詞形、 とある。 タブル(狂)の未然形(たぶら)+カス(接尾語)、 という感じであろうか(日本語源広辞典・精選版日本国語大辞典)。 「たぶる」は、 狂る、 と当て、 …

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いつわる

「いつわる(いつはる)」は、 偽る、 詐る、 と当てる。 事実をゆがめる、 うそをつく、 だます、 あざむく、 といった意味である(広辞苑)。大言海は、自動詞の「いつはる」に、 偽る、 詐る、 佯る、 譎る、 を当て、他動詞「いつはる」に、 偽る、 をあてるという区別をしている。 平安初期までは、 更にうつはる人無し(…

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でっちあげる

「でっちあげる」は、 捏ち上げる、 と当てる。 証拠をでっちあげる、 というように、 ないことをあるようにつくりあげる、 つまり、 捏造、 の意である。それをメタファに、 報告書をでっちあげる、 というように、 間に合わせに形だけ整えてまとめ上げる、 意でも使う(広辞苑)。岩波古語辞典にも大言海にも載らない。比較的新しい…

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定家煮

「定家煮(ていかに)」は、 魚介を塩と酒だけで味付けした料理、 とある(広辞苑)が、 鯛などの淡白な魚を塩と酒(または焼酎)で煮る、 のをいう(たべもの語源辞典)、とある。文政五年(1822)の『江戸流行料理通大全』(八百善主人著)に、 焼酎と焼塩で味をつけ煮るを定家煮といふなり、 あり(たべもの語源辞典)、 潮煮の一種、 である(http:/…

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イノベーション

J・A・シュムペーター(塩野谷祐一他訳)『経済発展の理論―企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究』を読む。 シュムペーターは、経済発展の駆動力を、 (生産手段の)新結合(neue Kombination)の遂行、 とみた。今日の言葉でいうと、 イノベーション、 である。生産をするということは、 われわれの利用しうるいろいろな物や…

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じぶ煮

「じぶ煮」は、 熟鳧煮、 治部煮、 等々と当てる。 石川県金沢の郷土料理で、鴨肉の煮込みのこと、小麦粉をまぶした鴨肉を煮て、別に煮込んだ野菜や簾麩(すだれぶ)と共に山葵(わさび)を添えて供する、 とある(広辞苑)。「簾麩」(すだれふ・すだれぶ)というのは、 石川県金沢の名産品、特産品として知られる麩の一つ。グルテンに米粉を加えて練り、「すだれ」に包んで茹でたも…

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つるべずし

「つるべずし」とは、 釣瓶鮨、 と当て、 馴鮨(なれずし)の一種、 で、 (奈良県の)吉野川のアユで作った早鮨、 である。 吉野川のアユを、下市(しもいち)で製し、釣瓶型の桶に入れ、藤蔓で桶と蓋を押さえつけてならしたもの、 とある(広辞苑)。 (かつて使用していた釣瓶鮨の圧力器 https://gurutabi.gnavi.co.jp…

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なじむ

「なじむ」は、 馴染む、 と当てる。 なれて親しくなる、 意である。それが転じて、 おなじみ、 というように、 馴染客の意でも使うし、メタファとして、 手になじんだ筆、 というように、 しっくりする、 意でも使う(仝上)。 なれしむの約、 とある(広辞苑・大言海)ので、 馴れ染むの義(日本釈名・柴門和語類集・…

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鉄火味噌

「鉄火味噌」は、 赤味噌に細かく刻んだごぼうや炒り豆、ねぎ、砂糖、みりん唐辛子などを混ぜてごま油で炒めた、 もので(広辞苑・ブリタニカ国際大百科事典)、 嘗味噌の一種、 だが、形状は、 カラカラに乾燥したものもあれば、ペースト状のものもある、 とし、 大日本帝国陸軍のレシピ集である「軍隊調理法」や大日本帝国海軍のレシピ集でも取り入れられていた、 …

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鉄砲焼

「鉄砲焼」は、 魚・鶏肉・タケノコに唐辛子味噌をつけて焼いた料理、 を指す(広辞苑)。 アユ・フナ・ハヤなどを丸のまま山椒味噌を塗って焼いたものは、 土蔵焼、 という(たべもの語源辞典)が、 魚の上に塗るのでいう、 とある(仝上)。「鉄砲焼」の作り方も同じだが、 唐辛子味噌、 か 山椒味噌、 の違いで、「鉄砲」の名は、「鉄炮和(あえ)…

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さしみのつま

「さしみ」(http://ppnetwork.seesaa.net/article/453881536.html)の「つま」は、 妻、 と当て、 刺身や吸物などにあしらいとして添える、野菜・海藻などのつけあわせ、 であり(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A4%E3%81%BE・広辞苑)、 主要なものを引き立てる軽く添える…

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つみいれ

つみいれ 「つみいれ」は、 摘入れ、 抓入れ、 とあてる(大言海・広辞苑)。約して、 つみれ、 とも言うが、「つみれ」は、 摘入、 抓入、 と当てる(広辞苑)。 魚の擂り身に卵・小麦粉・塩などをすり合わせ、少しずつすくい取り、ゆでたもの、 である(仝上)。鍋の具や汁の実とする。 (つみれ https://www.kibun.…

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つくね

「つくね」は、「つみいれ」(http://ppnetwork.seesaa.net/article/480975139.html?1618253464)で触れたように、 魚のすり身で作った物を、 つみれ、 鶏や豚などのひき肉で作った物を、 つくね、 と分けることもあるが、元々は調理法が違い、「つくね」は、 手で捏ねて形を整えた状態のもの、 「つみれ」…

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ゐる

「ゐ(い)る」は、 居る、 と当てるが、 動くものが一つの場所に存在する意、現代語では動くと意識したものが存在する意で用い、意識しないものが存在する意の「ある」と使い分ける、 とある(広辞苑)。「ある」(http://ppnetwork.seesaa.net/article/467053373.html?1616713488)は、 ものごとの存在が認識される。も…

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苞豆腐

「苞豆腐(つとどうふ)」は、 水切りした豆腐をすりつぶし、棒状にして、わらづとなどに入れ、固く締めて蒸したもの、 とあり(広辞苑)、 菰(こも)豆腐、 とも(仝上)、 しの豆腐、 ともいう(たべもの語源辞典)、とある。というのは、 わらの他にイグサやシノなどを束ねたつとを使うから、 とある(https://kondate.oisiiryouri…

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菜の花

「菜の花」は、 アブラナ(油菜)、ナタネナ(菜種菜)、ハナナ(花菜)、 と呼ぶ、 アブラナ科アブラナ属の花の総称、 を指す(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8F%9C%E3%81%AE%E8%8A%B1・広辞苑・たべもの語源辞典)が、特に、 アブラナまたはセイヨウアブラナ、 の別名としても用いられる(仝上)。花びらが4枚…

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すっぽん煮

「すっぽん煮」というものがあるらしい。 鼈煮、 と当て、本来は、 スッポンを煮たもの、 を指したが、 ナマズ、エイなどを濃厚な味の汁でささがき牛蒡などと共に似て、スッポンの味に似せたもの、 を意味し、 すっぽんもどき、 ともいう(広辞苑)、とある。どちらかというと、「鼈煮」を、 すっぽんもどき、 と呼び、 スッポンの味に似せた…

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スッポン

「スッポン」は、 鼈、 の意であるが、これに準えた、 歌舞伎の舞台で、花道の七三(しちさん)に設けた切穴(きりあな)、 を指し、 奈落から花道へ役者をせり上げるためのもの、 をいう(広辞苑・江戸語大辞典)。「七三」とは、 「七三」とは揚幕(楽屋の出入り口にかかる幕)から七分、本舞台から三分の位置のこと、 で(http://www.moon-li…

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なか

「なか」は、 中、 仲、 央、 等々と当てる。「なか」の古形は、 な、 で、 三国の坂、中井(なゐ)に聘(むか)へて(書紀)、 と 他の語につき複合語をつくる、 とある(岩波古語辞典)。 (「中」 https://kakijun.jp/page/0404200.htmlより) 中處(なか)の義、ナに中(チュウ)の意あり、 …

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