農民生活の実像
速水融『江戸の農民生活史』を読む。
本書は、旧美濃国安八郡西条(にしじょ)村(現岐阜県安八郡輪之内町(わのうちちょう))の西松家に伝えられた、安永二年(1773)から明治二年(1869)の九十七年間にわたる宗門改帳を用いて、江戸時代末期一世紀の、
「できるだけ詳細な人口統計を作成すると同時に、史料に登場する個々の男女や家族を追って、当時の人々の生活ぶりを再現しようと」
…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか