しび

「しび」は、 鮪、 と当てる。 マグロの成魚、 を指す(広辞苑)。「まぐろ」(http://ppnetwork.seesaa.net/article/451639508.html)で触れたように、成長の度合いに応じて、「まぐろ(ホンマグロ・クロマグロ)」は、 かきのたね(稚魚)、 メジ(30~60センチの幼魚)、 シビ(成魚)、 等々という呼び名がある…

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まくはうり

「まくは(わ)うり」は、 真桑瓜、 と当てる。漢名は、 甜瓜(てんか)、 香瓜(こうか) 他に、 味瓜(あじうり)、 都瓜(みやこうり)、 甘瓜(あまうり)、 梵天瓜(ぼんてんうり)、 唐瓜(からうり)、 麝香瓜、 等々ともいい(広辞苑)、 まくわ、 ふり、 ほぞち(熟瓜)、 いつつのいろ、 等々の名もある(たべもの語源辞典・…

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おちゃをひく

「おちゃをひく」は、 お茶を引く、 あるいは、 お茶を挽く、 と当て、 お茶引き、 お茶っ引き、 ともいう(江戸語大辞典)。 「おちゃっぴい」(http://ppnetwork.seesaa.net/article/437429337.html)で触れたように、「おちゃっぴい」には、 (「おちゃひき」の転)働いても金にならないこと、 多弁で…

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おっしゃる

「おっしゃる」は、 仰る(デジタル大辞泉)、 仰しゃる(広辞苑)、 被仰る(大言海)、 等々と当てる。 言うの尊敬語、 仰せられる、 という意である。命令形と、「ます」のつく連用形は、 おっしゃい、 となる(広辞苑)。 仰有る、 とも当てる(デジタル大辞泉)ので、 オオセアルの約、オオシャルの約(広辞苑)、 仰せらるの約、おっしゃ…

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虎が雨

「虎が雨」は、 陰暦5月28日に降る雨、 をいう。 この日曾我十郎が死にそれを悲しんで愛人の遊女虎御前の涙が雨となって降ると伝える、 とある(広辞苑)。 虎雨、 虎の涙雨、 虎が涙、 虎少将の涙雨、 曽我の雨 ともいう(雨のことば辞典)。 (虎が雨(歌川広重「東海道五十三次」)https://ja.wikipedia.org/wiki/%…

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虎石

「虎石」は、 とらいし、 とも、 とらがいし、 と訓ます。「虎が雨」(http://ppnetwork.seesaa.net/article/482781423.html?1628103511)で触れた、 曽我十郎の愛人であった虎御前が化したもので、美男でなくては持ちあげられないと伝える石、 である(広辞苑)。 虎ヶ石、 寅子石、 虎子石、 …

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進化としての「死」

小林武彦『生物はなぜ死ぬのか』読む。 本書は、 そもそもなんで生き物は死ぬのか?  について、生物学の視点から考えていこうとしている。結論は、 死は生命の連続性の原動力、 つまり、 「生き物にとって死とは、進化、つまり『変化』と『選択』を実現するためにあります。『死ぬ』ことで生物は誕生し、進化し、生き残ってくることができたのです。」 というこ…

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「石」は、岩石の意だが、 岩より大きく、砂より大きい鉱物質のかたまり、 とある(広辞苑)。ある意味、 何らかの原因で岩が割れていくらか小さくなったもの、 であり、小さな石は、 小石、 石より小さいが砂よりも大きいのは、 砂利、 などと呼ばれる(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3)、ともある。ありふれた…

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「岩」は、 磐、 巌、 とも当てる(広辞苑)。 岩石、 の意だが、 石の大きいもの、特に加工せず表面がごつごつしているもの、 とある(仝上)。ただ、「いは(わ)」は、 石、 も当てている(岩波古語辞典)ので、大きさは相対的な意味しかないように見えるが、古事記に、 訓石、云伊波、 とあり(大言海)、和名抄に、 磐、大石也、以波…

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「磯」は、 礒、 とも当てる。 浜つ千鳥浜よは行かず伊蘇(イソ)伝ふ(古事記)、 と、 海・湖などの水際で、石の多いところ、 あるいは、 伊蘇(イソ)の間(ま)ゆたぎつ山川絶えずあらば又もあひ見む秋かたまけて(万葉集)、 と、 水中から露出している岩石、 と意で(広辞苑)、 岩石で構成された海岸のこと、 とあり、 …

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過大な負担に疲弊

成松佐恵子『名主文書にみる江戸時代の農村の暮らし』を読む。 本書は、二本松藩十万石の福島県安達郡南杉田村(現二本松市)の安斎家に伝わる文書類(地方文書 人別帳・検地帳・御用留等々)を通して、江戸中後期の農村の状況や人々の暮らしぶりを、 「ミクロな視点からとらえること」 を目的としている。江戸時代の名主役は、 「幕藩体制の末端に位置して命令系統の一翼を担い、それ…

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信長像

和田裕弘『信長公記―戦国覇者の一級史料』を読む。 いわゆる『信長公記』は、 「牛一の自筆本、写本を含めて数多くの伝本が伝わっている。『信長公記』の一部に相当する短編や残闕本などを含めると七十本以上が確認されている。」 という。『信長公記』は、 「足利義昭を奉じて上洛の師を起こした永楽十一年(1568)から、本能寺の変で斃れる天正十年(1582)までの十五年間を…

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女軍

長尾剛『女武者の日本史』を読む。 女軍、 は、 めのいくさ、 めいくさ、 と訓ませ、 女子の兵士・軍隊の意、 の意ともされるが、一説に、 男軍(おのいくさ)・女軍(めのいくさ) は、 追手(おうて 大手)・搦手(からめて)、 の意で、 敵軍の後側に攻めかかる軍隊、 を、 女軍とする、 とする(精選版…

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さすが

「さすが」は、 流石、 石流、 遉、 等々と当て字するが、中世の当て字(岩波古語辞典)で、和訓栞に、 世に、流石の字を、さすがと云ふ辞に用たり。流石は、晋の孫楚の故事に因れり、さすがによく牽合せりと云へり、 とあり(大言海)、晋書孫楚伝の、 漱石枕流(石に漱ぎ流れに枕す)、 の、 石に枕し流れに漱ぐというべきところを、「石に漱ぎ流れに枕す」と言い…

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渡邊敏夫『暦のすべて―その歴史と文化』読む。 「暦」とは、 日を数える、 ものであり、 時の流れを数える ものである。そして、その 時の流れを数える方法、 を、 暦法、 という。そして、その、 暦法に基づいて推算して、将来予知される公の時令を記したもの、 が、 暦書、 である。孟子のいう、 天之高也、…

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土用

「土用」は、梅雨明けの夏の土用だけを言っているが、 暦法で、立夏の前18日を春の土用、立秋の前18日を夏の土用、立冬の前18日を秋の土用、立春の前18日を冬の土用といい、その初めの日を土用の入りという、 と(広辞苑)、一年に四度あり、春の土用は、二十四節気の、 清明の後の十三日(四月十七日)より十八日間にして、終れば立夏、 夏の土用は、同じく、 小暑の後十三日(…

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「虎」について、南方熊楠は、こんなことを言っている。 「虎の記載を学術上七面倒に書くより『本草綱目』に引いた『格物論』(唐代の物という)を又引するが一番手軽うて 解りやすい。いわく虎は山獣の君なり、状猫のごとくにて大きさ牛のごとく黄質黒章、鋸牙鉤爪鬚健にして尖り舌大きさ掌のごとく倒に刺を生ず、項短く鼻ふさがる、これまでは誠に文簡にして写生の妙を極め居る。さてそれから追々支那人流の法螺を…

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とらえる

「虎」(http://ppnetwork.seesaa.net/article/482959788.html?1629140731)で触れたように、和語「とら」の語源説に、 恐ろしくてトラ(捕)まえられぬから(和句解)、 逆に、 人を捕る意から(日本釈名・和訓栞)、 トル(採)義(言元梯)、 トリクラヒ(捕食)の義(日本語原学=林甕臣)、 等々と、「捕らえる」と関連づける…

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八百比丘尼

「八百比丘尼」は、 やおびくに、 と訓むが、 はっぴゃくびくに、 とも訓ませ、 白比丘尼(しらびくに)、 とも呼ばれる、 800歳まで生きた長命の比丘尼、その姿は17~8(あるいは15~6)歳の様に若々しかった、 といわれる、 長寿伝説、 の一つである。「白比丘尼」のシラ(白)は、 再生するという古語であり、シラ比丘尼の長寿は…

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惣国一揆

和田裕弘『天正伊賀の乱―信長を本気にさせた伊賀衆の意地』を読む 「天正伊賀の乱」と呼ばれるものは、 天正七年(1579)年九月、北畠信雄が父信長に無断で伊賀に侵攻して大敗した第一次、 と、 天正九年(1581)年九月、信雄を総大将に、四方から大軍を侵攻させ、伊賀を焦土と化した第二次、 と、 天正十年(1582)年六月、本能寺の変に乗じて伊賀党の残党…

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