一炊の夢
覚めて枕の上の眠(ねぶ)りを思へば、わづか午炊一黄粱の間を過ぎざりけり。客、ここに、人間百年の楽しみも、枕頭片時の夢なることを悟りて(太平記)、
を、
楊亀山が日月を謝する詩に曰く、
少年より学に勧(つと)めて志須(すべか)らく張(ちょう)すべし、
得失由来一夢長し、
試みに問ふ邯鄲枕を欹(そばだ)つる客、
人間幾度(いくたび)か黄粱を熟する(「勉謝自明」)、
これを、…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか