紅顔翠黛

その昔、紅顔翠黛の世に類ひなき有様を、ほのかに見染し玉簾の、ひまもあらばと三年(みとせ)余り恋慕しけるを、とかく方便(てだて)を廻らして盗みい出してぞ迎へける(太平記)、 とある、 紅顔翠黛(こうがんすいたい)、 は、 紅(くれない)の顔と翠(みどり)の眉墨、 で、 翠黛紅顔錦繍粧(翠黛紅顔錦繍(きんしゅう)の粧(よそお)ひ)、 泣尋沙塞出家郷(泣くなく…

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