言語の価値と美

吉本隆明『言語にとって美とはなにかⅠⅡ』を読む。 何度目かの読み直しになるが、今回新たに気づいたことがある。吉本の言語論は、 この人間が何ごとかを言わねばならないまでにいたった現実的な与件と、その与件にうながされて自発的に言語を表出することとのあいだに存在する千里の径庭を言語の自己表出として想定することができる。自己表出は現実的な与件にうながされた現実的な意識の体験が累積…

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