牝鶏晨す
牝鶏(ひんけい)の晨(あした)するは家の尽きんずる相なりと、古賢の云ひし言(ことば)の末、げにもと思ひ知られたり(太平記)、
牝鶏晨する時は、其の里必ず滅ぶとい云へり、めんどりの時をつくるは、所の怪異にてその里滅ぶるごとく、婦人政(まつりごと)をいろ(綺)ふことあれば、国必ずみだると云へり(保元物語)、
などにある、
牝鶏晨する、
牝鶏の晨するは家の尽きんずる相なり、
…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか