海上の異郷

柳田國男『海上の道』を読む。 名も知らぬ  遠き島より 流れ寄る  椰子の実一つ で知られる島崎藤村の「椰子の実」が、柳田國男が伊良湖岬(いらごみさき)での体験が元になっていることは、夙に有名だが、日本の海岸に流れ着く椰子の実から、日本列島への、 海上の道、 を構想したところが、本書の冒頭にある「海上の道」である。 「あらゆる穀作にも通じて言えるこ…

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