海上の異郷
柳田國男『海上の道』を読む。
名も知らぬ
遠き島より
流れ寄る
椰子の実一つ
で知られる島崎藤村の「椰子の実」が、柳田國男が伊良湖岬(いらごみさき)での体験が元になっていることは、夙に有名だが、日本の海岸に流れ着く椰子の実から、日本列島への、
海上の道、
を構想したところが、本書の冒頭にある「海上の道」である。
「あらゆる穀作にも通じて言えるこ…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか