無下
無下(むげ)に候し時も、御あと(御あとべ 御床の傍)にふせさせおはしまして、夜中暁、大つぼ(大坪 便器)まゐらせなどし候しその時は(宇治拾遺物語)、
にある、
無下(むげ)に候し時、
は、
病気のひどかった時、
とある(中島悦次校注『宇治拾遺物語』)。この
無下、
は、
無気、
とも当てる(日本語源大辞典)、平安末期『色葉字類抄』に、
…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか