万里一空
宮本武蔵『五輪書』を読む。
「武士の兵法を行ふ道は、何事に於ても人にすぐるゝ所を本とし、或は一身の切合に勝ち、或は数人の戦に勝ち、主君の為、名をあげ身をたてんと思ふ。是兵法の徳を以てなり。又世の中に、兵法の道をならひても、実の時の役にはたつまじきと思ふ心あるべし。其儀に於ては、何時にても、役にたつやうに稽古し、万事に至り、役にたつやうにおしゆる事、是兵法の実の道也。」
と…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか