かなぐる

左の耳を探りて、爰に座頭の耳有りとて、かなぐりて行く。痛しなんども愚かなり(宿直草)、 の、 かなぐりて、 は、 荒々しく取って、引きちぎって、 の意とある(高田衛編・校注『江戸怪談集』)。 「かなぐる」は、 抛棄、 と当てたりする(大言海)が、字鏡(平安後期頃)には、 敺(=駆)、カナグル、 とある。 いと愛敬なかりける心も…

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