かなぐる
左の耳を探りて、爰に座頭の耳有りとて、かなぐりて行く。痛しなんども愚かなり(宿直草)、
の、
かなぐりて、
は、
荒々しく取って、引きちぎって、
の意とある(高田衛編・校注『江戸怪談集』)。
「かなぐる」は、
抛棄、
と当てたりする(大言海)が、字鏡(平安後期頃)には、
敺(=駆)、カナグル、
とある。
いと愛敬なかりける心も…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか