匂ひ
年のころ廿(はたち)ばかりと見ゆ。白き小袿(こうちぎ)に紅梅の下襲(したがさね)、匂ひ世の常ならず、月にえいじ、花に向かひて(伽婢子)、
にある、
匂ひ、
は、
かさねの色目が美しく取りあわされている様子、
とある(高田衛編・校注『江戸怪談集』)。これだとわかりにくいが、「匂ひ」は、いわゆる、
襲(かさね)の色目、
のうち、
同系色のグラデーシ…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか