偕老のふすま
夜半の鐘に枕をならべては、偕老のふすまをうれしとよろこび、横雲の朝(あした)に鳥の鳴く時は、別離の袂をしぼりて、悲しとす(新御伽婢子)、
の、
偕老のふすま、
は、
夫婦共に老いるまで連れ添おうという、睦まじいかたらい、
と注記がある(高田衛編・校注『江戸怪談集』)が、「ふすま」は、前に触れたように、
衾、
被、
と当てるかつての寝具で、
御…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか