一跡
我が一跡を掠め取り、身の佇(たたず)み(置き所)もならず、所さへ追ひ失はれし(新御伽婢子)、
の、
一跡、
は、
財産のすべて、
あひかまへて、小分の(少額の)かけにし給ふな。身代一跡と定めらるべし(仝上)、
の、
身代一跡、
は、
全財産、
と、それぞれ注記がある(高田衛編・校注『江戸怪談集』)。
一跡、
の、
…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか