貝をつくる
足摺りをして、いみじげなる顔に貝を作りて泣きければ(今昔物語)、
の、
貝を作る、
は、
口をへの字にする、べそをかく、
とある(佐藤謙三校注『今昔物語集』)。
口を貝の形にする意(岩波古語辞典)、
泣き出す時の口つきが、ハマグリの形に似ているところから(精選版日本国語大辞典)、
とあり、
口をへの字に曲げて、泣きだす、
意で、
…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか