向腹(むかひばら)
我が子にも劣らず思ひて過ぎけるに、この向腹の乳母、心や惡しかりけむ(今昔物語)、
の、
向腹、
は、
正妻の子、
の意である(佐藤謙三校注『今昔物語集』)。
向腹、
を、
むかばら、
あるいは、転化して、
むかっぱら、
と訓ませると、「向っ腹」で触れたように、
むかっぱらが立つ、
とか、
むかっぱらを立てる、…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか