矢庭

走りで逃げて去にけり。然れば、四人は矢庭に射殺したりけり。今一人は四五町ばかり逃げ去りて(今昔物語)、 とある、 矢庭、 は、 矢を射る場所。矢のとどく距離、近い所。時間では、即座に、ただちにの意となる。この場合は原義に近い使い方ではないか。「四五町ばかり」は、もはや矢庭ではない、 と注記がある(佐藤謙三校注『今昔物語集』)。 矢庭、 は、 矢…

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