おんばさら

観音勢至の遣水は、阿耨多羅(あのこたら 阿耨多羅)とぞ流れ出(い)づる、流れたる、育王太子(薬王大士とも)の前の池の波は、や、唵嚩羅(おんばさら)とぞ立ち渡る(梁塵秘抄)、 の、 斡嚩囉、 は、 おん ばさら たらま きりく そわか、 の意で、 唵 斡嚩囉 塔囉痲 紇哩 薩婆訶(蘇婆訶) 等々と当てる、 千手観音の真言、 である。 …

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観音勢至

観音勢至の遣水は、阿耨多羅(あのこたら 阿耨多羅)とぞ流れ出(い)づる、流れたる……(梁塵秘抄)、 の、 観音(かんのん)、 は、 観音菩薩、 勢至(せいし)、 は、 勢至菩薩、 の意かと思う。「菩薩」は、 菩、普也、濟也、善普濟衆生(金剛経・注)、 と、 菩提薩埵の略、 である(大言海)。「薩埵」は、 梵語sat…

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文殊

淡路はあな尊(たうと)、北には播磨の書冩をまもらへて、西には文殊師利、南え南海補陀落(ふだらく)の山(せん)に向ひたり、東(ひんがし)は難波の天王寺に、舎利(さり)まだおはします(梁塵秘抄)、 の、 文殊師利(もんじゅしり)、 は、 サンスクリット語マンジュシュリーMañjuśrī、 の音訳、詳しくは、 文殊師利法王子(青年たるマンジュシュリー)菩薩、 …

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深沙(しんじゃ)大王

釈迦の御法(みのり)は天竺に、玄奘三蔵ひろむとも、深沙(しんじゃ)大王渡さずば、此の世に佛法なからまし(梁塵秘抄)、 深沙大王、 は、 深沙大将(じんじゃだいしょう)、 深沙神、 奉教鬼、 ともいい(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B7%B1%E6%B2%99%E5%A4%A7%E5%B0%86)、 玄奘が天竺(てんじく)…

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補陀落

本體観世音、常在補陀落(ふだらく)の山(せん)、為度(ゐど)や衆生、生々示現大明神(梁塵秘抄)、 の、 補陀落、 は、 普陀落、 とも当てる、 梵語ポータラカPotalaka、 の音写、 光明山、 海島山、 小花樹山、 と訳す(広辞苑)とある、 インドの南海岸にある、八角形で、観音の住所といわれる山、 で、興福寺の、 …

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七寶蓮華

内(宇治)に神おはす、中をば菩薩御前たちはな(橘)こしま(小嶋)のあたぬし(縣主)、七寶蓮華はをしつるぎ(梁塵秘抄)、 の、 七寶、 は、 爾時佛前有七寶塔、高五百由旬、縱廣二百五十由旬、從地湧出、住在空中、種種寶物而莊校之。五千欄楯、龕室千萬、無數幢幡以為嚴飾、垂寶瓔珞寶鈴萬億而懸其上。四面皆出多摩羅跋栴檀之香、充遍世界。其諸幡蓋、以金、銀、琉璃、硨磲、瑪瑙、真珠、…

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大梵天王

大梵天王は、中の間にこそおはしませ、少将波利女の御前は、西の間にこそおはしませ(梁塵秘抄)、 大梵天王(だいぼんてんおう)、 は、 大梵皇帝、 大梵王、 ともいい、 大梵天の王、 で、 Mahã-brahman(マハーブラフマン)、 を、 淫欲を離れているため梵(ぼん)といわれ、清浄・淨行、 と訳す(https://pseudo.…

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梵天

母、子を慈(うつくし)び、因りて自から梵天に生まる(日本霊異記)、 の、 梵天、 は、「大梵天」で触れたように、 梵語Brahmā、 の訳で、 大梵天、 梵天王、 梵王、 ともいい、 インドの古代宗教で、世界の創造主として尊崇された神。古代インド思想で宇宙の根源とされるブラフマン(梵)を神格化したヒンドゥー教の三神(ブラフマーとヴィシュヌと…

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婆利采女

大梵天王は、中の間にこそおはしませ、少将波利女の御前は、西の間にこそおはしませ(梁塵秘抄)、 の、 波利女、 とあるのは、 婆利采女(ばりさいにょ・はりさいじょ・はりさいにょ)、 のことと思われる。 頗梨采女、 波利采女、 波利賽女、 とも表記される。名前の由来は、 梵語のハリ(水晶の意)、 に求める説がある(https://ja.w…

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金剛蔵王

神のめでたく現ずるは、金剛蔵王はく王大菩薩、西宮、祇園天神大将軍、日吉山王賀茂上下(梁塵秘抄)、 の、 金剛蔵王(こんごうざおう・こんごうぞうおう)、 は、 金剛蔵王権現(こんごうざおうごんげん)、 または 金剛蔵王菩薩(こんごうざおうぼさつ)、 の略(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%94%B5%E7%8E%8B%E6%A…

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弥勒

金(かね)の御嶽(みたけ)は一天下、金剛蔵王釋迦彌勒、稲荷も八幡(やはた)も木島(このしま)も、人の参らぬ時ぞなき(梁塵秘抄)、 の、 彌勒、 は、「出世」で触れたように、 釈迦牟尼仏に次いで仏になると約束された菩薩、 で、 於是衆生。歴年累月。蒙教修行。漸漸益解。至下於王城始発中大乗機上、称会如来出世之大意(法華義疏)、 と、 兜率天(とそつ…

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