2023年09月06日
摩訶迦葉
三会の暁を待つ人は、所を占めてぞおはします、雞足山(けいそくさん)には摩訶迦葉(まかかせう)や、高野の山には大師とか(梁塵秘抄)、
の、
雞足山、
は、梵語、
Kukkuṭapādagiri、
の訳、
鶏足山(けいそくざん、グルパ・ギリ)、
とも当て、
ククタパダ山、
狼跡山、
尊足山、
ともいい、
古代インドのマガダ国の山。伽耶(がや)城の南東にあり、釈迦の弟子迦葉(かしょう)が入寂したと伝えられる鶏足洞がある、
とある(デジタル大辞泉)。玄奘三蔵の大唐西域記に、
念深於鶏足之洞。降煩悩之魔軍、
とあり、迦葉が、
鶏足山の洞で彌勒の出世を待つ、
との故事から、
彌勒下生(げしょう)への待望、
をもいう(精選版日本国語大辞典)。古代中国人は、雲南省の「鶏足山(けいそくさん)を、仏典にある山と考え、
釈尊が摩訶迦葉(まかかしょう)に衣鉢して弥勒菩薩が成仏して現れるのを待ち、入定した場所である、
と考えた。言い伝えでは、摩訶迦葉は華首門のそばにある石の中に寝泊りしたという。そのため、鶏足山は仏教の聖地となり、
摩訶迦葉の道場、
として、中国仏教、チベット仏教、上座部仏教の交わる場所として重視されている。また仏教の禅宗の発祥の地(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B6%8F%E8%B6%B3%E5%B1%B1_%28%E9%9B%B2%E5%8D%97%E7%9C%81%29)とも言われている、とある。もともと、
青巓山、
九曲山、
などと呼ばれていたが、山頂の峰が鳥の爪に似ていることからこの名がつけられた(仝上)という。
三蔵法師記した、
鶏足山(けいそくざん 現地では「グルッパ・ギリ」と呼ぶ)、
は、日蓮宗の僧侶「故椎野能敬師」が調査(アサヒグラフ1981年5月29日号、通巻3030号で発表)し、
インド国鉄ガヤ駅の東、グルッパ駅の南1キロほどにそびえ、ニワトリの様な形をした岩の山頂を望む事が出来ます、
とあり(https://tsunagaru-india.com/knowledge/)、
インド領チベット・ラダック地方出身のチベット僧により登山道が整備され、山頂には金色に輝く宿泊も可能なパゴダ(仏塔)が建設されております、
とある(仝上)。
摩訶迦葉、
は、
「摩訶」は美称、偉大な迦葉の意、
で(精選版日本国語大辞典)、
「富楼那(ふるな)の弁」で触れた、
十大弟子、
つまり、
舎利弗(しゃりほつ 智慧第一)、
目犍連(もくけんれん 略して目連 神通力(じんずうりき)第一)、
摩訶迦葉(まかかしょう 頭陀(ずだ(苦行による清貧の実践)第一)、
須菩提(しゅぼだい 解空(げくう すべて空であると理解する)第一)、
富楼那(ふるな 説法第一)、
迦旃延(かせんねん 摩訶迦旃延(まかかせんねん)とも大迦旃延(だいかせんねん)とも、論議(釈迦の教えを分かりやすく解説)第一)、
阿那律(あなりつ 天眼(てんげん 超自然的眼力)第一)、
優婆(波)離(うばり 持律(じりつ 戒律の実践)第一)、
羅睺羅(らごら 羅睺羅(らふら) (密行(戒の微細なものまで守ること)第一)、
阿難(あなん 阿難陀 多聞(たもん 釈迦の教えをもっとも多く聞き記憶すること)第一)、
の(日本大百科全書・https://true-buddhism.com/founder/ananda/他)ひとりで、
仏教教団における釈迦の後継(仏教第二祖)、
とされ、釈迦の死後、初めての結集(第1結集、経典の編纂事業)の座長を務め、
頭陀第一、
といわれ、衣食住にとらわれず、清貧の修行を行った(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%BF%A6%E8%91%89)とある。
原名は、パーリ語で、
マハーカッサパMahā-Kassapa、
で、
大迦葉(だいかしょう)、
といい(仝上・日本大百科全書)、
摩訶迦葉波、
迦葉、
迦葉波、
とも呼ばれる(仝上)。
北インド、マガダ国の首都、王舎城(おうしゃじょう)の付近の富裕なバラモン(婆羅門)の家に生まれ、釈尊開教の初期のころ弟子となり、その1週間後には悟りを開いて阿羅漢(あらかん 供養を受けるに値する者の意)となったとされる。そのとき自身の新しい袈裟(けさ)を釈尊にさしあげ、釈尊の古い袈裟をもらい受けて、その後つねにこれを着用し、そのうえ頭陀行(ずだぎょう 厳しい苦行的な生活)を守り続けたので、
頭陀第一、
とたたえられた(日本大百科全書)。釈尊生存中にすでに彼の代理を務め、釈迦は、
我に正法眼蔵、涅槃妙心、実相無相、微妙の法門あり、不立文字、教外別伝、今、摩訶迦葉に付す、
と言ったとされ(世界大百科事典)、滅後は事実上その後継者として教団を統括し、とくに釈尊の遺教を整理統合した第一結集(けつじゅう 経典編纂会議)においては、議長役を務めた、
とある(日本大百科全書)。
ホームページ;http://ppnetwork.c.ooco.jp/index.htm
コトバの辞典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/kotoba.htm#%E7%9B%AE%E6%AC%A1
スキル事典;http://ppnetwork.c.ooco.jp/skill.htm#%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E4%BA%8B%E5%85%B8
書評;http://ppnetwork.c.ooco.jp/critic3.htm#%E6%9B%B8%E8%A9%95