わたつうみ

わたつうみの浜の真砂(まさご)君がちとせ(千年)のあ(有)り數にせむ(古今和歌集)、 の、 わたつうみ、 は、 海神、 の意、 転じて、上記歌では、 海、 の意で使われている。 わたつうみ、 は、 わたつみの転か、 とあり、 わだつうみ、 ともいう(広辞苑)とある。ただ、 ワタツウミの語形、 は、…

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まさご

かくこのたびあつめえらばれて、山したみづのたえず、はまのまさごのかずおほくつもりぬれば(古今集・仮名序)、 の、 はまのまさご、 は、 きわめて数の多い喩え、 として使い、 万葉集では、 相模道(さがむぢ)の余綾(よろぎ)の浜の真砂(まなご)なす子らは愛(かな)しく思はるるかも(万葉集)、 と、 浜のまなご、 といった(高田祐彦訳注…

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算賀

八十(やそじ)の賀にしろがねを杖につくれりけるを見て(古今和歌集)、 の、 賀にしろがねを杖につくれりける、 とあるのは、 算賀におくられるならわし、一般は竹のものが多い、 とある(高田祐彦訳注『新版古今和歌集』)。 算賀、 の算は、 廣韻(北宋、韻書)に「物数也」とあり、年数の義、年齢の意、年賀とも云ふ、是なり、至尊の御年齢を、御算、寶算と申…

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老いらく

櫻花散りかひくもれ老いらくの來むといふなる道まがふがに(古今和歌集) の、 がに、 は、 ……するように、 ……するほどに、 の意とある(高田祐彦訳注『新版古今和歌集』)。 がに、 は、助詞(接続助詞)で、 動詞・助動詞の終止形に付く。多く完了の助動詞「ぬ」に付き「ぬがに」の形をとる、 とあり(広辞苑)、一説に、 疑問の助詞「か」…

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ももちどり(百千鳥)

我(わ)が門(かど)の榎(え)の実(み)もり食(は)む百千鳥(ももちとり)千鳥(ちとり)は来(く)れど君ぞ来(き)まさぬ(万葉集)、 の、 ももちどり、 は、 百千鳥(岩波古語辞典・広辞苑)、 あるいは、 百箇鳥(大言海)、 と当てる。 ももち、 は、 百箇(岩波古語辞典)、 百(大言海)、 と当て(「ももち」は百箇の義(大…

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よぶこどり(喚子鳥)

をちこちのたづきもしらぬ山なかにおぼつかなくもよぶこどりかな(古今和歌集)、 の、 よぶこどり、 は、 呼子鳥、 喚子鳥、 と当て、 稲負鳥(いなおおせどり) 、 百千鳥(ももちどり) 百千鳥 と共に、 古今伝授の三鳥のひとつ、 とされ、 鳴き声が人を呼ぶように聞こえる鳥、 なのでこの名がある(広辞苑)。しかし、 …

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貌鳥(かほどり)

朝ゐでに来鳴く貌鳥汝(な)れだにも君に恋ふれや時終(を)へず鳴く(万葉集)、 貌鳥の間なくしば鳴く春の野の草根の繁き恋もするかも(万葉集)、 の、 かほ鳥、 は、 顔鳥、 貌鳥、 容鳥、 等々と当てる(広辞苑)。 かほ鳥の聲も聞きしに通ふやと繁みをわけて今日ぞたづぬる(源氏物語)、 と、「万葉集」「源氏物語」に登場するが、何の鳥かは分っていない…

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くもゐ

山高み雲ゐに見ゆる櫻花心の行きて折らぬ日ぞなき(古今和歌集)、 の、 雲ゐ、 は、 雲居、 雲井、 などと当て、 雲のあるあたり、 の意で、上記歌では、 櫻を雲に見立てたものではないが、通じるものがある、 とある(高田祐彦訳注『新版古今和歌集』)。 「雲居」で触れたように、「雲居(くもゐ)」は、 ヰは、坐っているところの意(…

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からに

住の江の松を秋風吹くからに声うちそふる沖つ白波(古今和歌集)、 の、 からに、 は、 ……するやいなや、 ……すると同時に、 ……する一方で、 という意味で、上の歌は、 松風の音に波の音が加わる。よく似た音の響き合い、 と注釈がある(高田祐彦訳注『新版古今和歌集』)。 からに、 は、 原因、理由を意味する助詞の「から」に格助詞の…

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山下風

み吉野の 山下風(やまのあらし)の寒(さむ)けくにはたや今夜(こよひ)もわが独り寝(ね)む(古今和歌集) 霞(かすみ)立つ春日(かすが)の里の梅の花山下風(やまのあらし)に散りこすなゆめ(仝上) の、 山下風、 について、 万葉集では、下風をあらしと訓むことから、やまのあらし、と訓読する、 とあり(高田祐彦訳注『新版古今和歌集』)、古今時代は、 やました…

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むまのはなむけ

今日別れ明日はあふみと思へども夜やふけぬらむ袖の露けき(古今和歌集)、 の、前文にある、 むまのはなむけしける夜にめる、 とある、 むまのはなむけ、 の、 「むま」は馬、 で、 馬のはなむけ、 の意で、ここでは、 送別の宴、 を意味し、 もともと、旅立つ人の馬の鼻をその旅先の方へむけたことからいう、 とある(高田祐…

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かつ

別れてはほどをへだつと思へばやかつ見ながらにかねて恋しき(古今和歌集) の、 かつ、 は、 同時に起きている二つの事柄の一方をさす、 とあり(高田祐彦訳注『新版古今和歌集』)、 ほど、 は、 距離、 の意とある(高田祐彦訳注『新版古今和歌集』)。 かつ、 は、 且つ、 と当て、 二つの動作・状態が並行して同時…

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たぐふ

思へども身にしわけねば目に見えぬ心を君にたくへてぞやる(古今和歌集) の、 たぐふ、 は、 寄り添わせる、 意(高田祐彦訳注『新版古今和歌集』)とある。 たぐふ、 は、 類ふ、 比ふ、 偶ふ、 副ふ、 などと当てる(岩波古語辞典・精選版日本国語大辞典・大言海)が、 似つかわしいもの、あるいは同質のものが二つ揃っている意。類義語…

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唐衣

唐衣たつ日は聞かじ朝露のおきてしゆけば消(け)ぬべきものを(古今和歌集)、 唐衣着つつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞおもふ(仝上)、 唐衣、 は、 韓衣、 とも当て(大辞林)、 からころも、 と訓ませ、近世以降、 からごろも、 とも訓み、 袖が大きく、裾はくるぶしまでとどき、日本の衣服のように褄前を重ねないで、上前、下前を深…

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あさなけに

あさなけに見べき君としたのまねば思ひたちぬる草枕なり(古今和歌集)、 の、 あさなけに、 は、 朝日、 とも当て(精選版日本国語大辞典)、 「朝にけに」の転、 で、 け、 は、 晝、 とあり(高田祐彦訳注『新版古今和歌集』)、 あるいは、 朝にけに、 朝な朝な、 などとの混交、 ともある(仝上)。 …

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草枕

あさなけに見べき君としたのまねば思ひたちぬる草枕なり(古今和歌集)、 の、 草枕、 は、 くさのまくら(大辞林)、 つまり、 旅に、草を枕とすること(大言海)、 の意で、 草を結んで枕として野宿すること、 とある(広辞苑・岩波古語辞典)、 古へ、旅路の宿りに、、仮庵を作るを、草結ぶと云ひ、茅草などを束ねて枕としたり、 というこ…

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草枕

あさなけに見べき君としたのまねば思ひたちぬる草枕なり(古今和歌集)、 の、 草枕、 は、 くさのまくら(大辞林)、 つまり、 旅に、草を枕とすること(大言海)、 の意で、 草を結んで枕として野宿すること、 とある(広辞苑・岩波古語辞典)、 古へ、旅路の宿りに、、仮庵を作るを、草結ぶと云ひ、茅草などを束ねて枕としたり、 というこ…

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草枕

あさなけに見べき君としたのまねば思ひたちぬる草枕なり(古今和歌集)、 の、 草枕、 は、 くさのまくら(大辞林)、 つまり、 旅に、草を枕とすること(大言海)、 の意で、 草を結んで枕として野宿すること、 とある(広辞苑・岩波古語辞典)、 古へ、旅路の宿りに、、仮庵を作るを、草結ぶと云ひ、茅草などを束ねて枕としたり、 というこ…

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草枕

あさなけに見べき君としたのまねば思ひたちぬる草枕なり(古今和歌集)、 の、 草枕、 は、 くさのまくら(大辞林)、 つまり、 旅に、草を枕とすること(大言海)、 の意で、 草を結んで枕として野宿すること、 とある(広辞苑・岩波古語辞典)、 古へ、旅路の宿りに、、仮庵を作るを、草結ぶと云ひ、茅草などを束ねて枕としたり、 というこ…

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草枕

あさなけに見べき君としたのまねば思ひたちぬる草枕なり(古今和歌集)、 の、 草枕、 は、 くさのまくら(大辞林)、 つまり、 旅に、草を枕とすること(大言海)、 の意で、 草を結んで枕として野宿すること、 とある(広辞苑・岩波古語辞典)、 古へ、旅路の宿りに、、仮庵を作るを、草結ぶと云ひ、茅草などを束ねて枕としたり、 というこ…

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