にがたけ
命とて露をたのむにかたければものわびしらに鳴く野辺の虫(古今和歌集)
と、
たのむにかたければ、
で、
にがたけ、
を詠みこんでいる(高田祐彦訳注『新版古今和歌集』)。当時、
はかもなき夏の草葉に命と頼む虫のはかなさ(寛平御時后宮歌合)、
と、
虫は命の糧として露を吸うと考えられていた、
とある(仝上)。
にがたけ、
は、
…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか