墨流し
春霞中し通ひ路なかりせば秋來る雁は帰らざらまし(古今和歌集)、
の、
春霞中し、
に、
詠みこんだのが、
墨流し、
で、
墨を水面に浮かべてできた模様を、髪に移し染める染色法、
とある(高田祐彦訳注『新版古今和歌集』)。かつて担当した書物のカバーに墨流しの模様を使った記憶がよみがえる。
(墨流染 精選版日本国語大辞典)
墨流し、
…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか