仮名文学の濫觴
高田祐彦訳注『新版古今和歌集』を読む。
漢詩から和歌へと立ち戻ろうとする、いわば脱唐風の流れと、仮名の誕生とによって、仮名による文学表現の嚆矢ともいうべきものとして位置づけられる。漢字を真名というのに対して、かなを仮名と当てた意図については、高橋睦郎『漢詩百首』で触れたが、それは、
日本人は中国から文字の読み書きを教わると同時に、花鳥風月を賞でることも学んだ。花に関しては…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか