通ひ路
春霞中し通ひ路なかりせば秋來る雁は帰らざらまし(古今和歌集)、
の、
通ひ路、
は、
空と地上とをつなぐ路、
とあり(高田祐彦訳注『新版古今和歌集』)、
春くれば雁かへるなり白雲の道ゆきぶりにことやつてまし(仝上)、
の、
白雲の道、
と同じく、
雁の通り道、
の意である(仝上)。
住の江の岸に寄る波夜さへや夢の通ひ路人…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか