ふりづ(振出)
紅のふり出でつつ泣く涙には袂のみこそ色まさりけれ(古今和歌集)、
の、
ふり出づ、
は、
紅に染色するとき、よく染まるように水の中で衣を振る、声を振り絞る意の、「ふりいづ」とかける、
とあり(高田祐彦訳注『新版古今和歌集』)、
思い出づるときはの山のほととぎす韓紅(からくれなゐ)のふり出(で)てぞ鳴く(仝上)、
の、
ふり出(づ)、
は、…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか