あしひきの
しのぶれど恋しき時はあしひきの山より月の出でてこそ來れ(古今和歌集)、
の、
あしひきの、
は、
山にかかる枕詞、
である(高田祐彦訳注『新版古今和歌集』)。
阿志比紀能(アシヒキノ)山田を作り山高み下樋(したび)を走(わし)せ(古事記)、
けふのためと思ひて標(しめ)し足引乃(あしひきノ)峰(を)の上(へ)の桜かく咲きにけり(万葉集)、
あしひきの山…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか