かたしき
さむしろに衣かたしき今宵もやわれを待つらむ宇治の橋姫(古今和歌集)、
の、
さむしろ、
は、歌語で、
「さ」は、「さ夜」「さ衣」などと同じ接頭語、
とあり(高田祐彦訳注『新版古今和歌集』)、
かたしき、
は、
衣を重ねて供寝するのではなく、一人寝で、自分の衣だけを敷く、
とある(仝上)。
「後朝(きぬぎぬ)」で触れたように、
…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか