引折(ひきをり)

ためしあればながめはそれと知りながらおぼつかなきは心なりけり(新古今和歌集)、 の、 ためし、 は、在原業平 が、女車に対して、 見ずもあらず見もせぬ人の恋しくはあやなくけふやながめくらさむ(古今集・伊勢物語・大和物語)、 と詠み入れた例をさす(久保田淳訳注『新古今和歌集』)。 冒頭の歌の詞書に、 前大納言隆房中将に侍りける時、右近馬場の引折(ひきを…

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