苔の袖

年暮れし涙のつららとけにけり苔の袖にも春やたつらむ(皇太后宮大夫俊成)、 の、 苔の袖、 は、 苔の衣(僧衣)の袖、 の意とある(久保田淳訳注『新古今和歌集』)。俊成は安元二年(1176)九月、六十三歳で出家、その年の暮れ、 身に積もる年の暮れこそあはれなれ苔の袖をも忘れざりけり」(長秋詠藻)、 と詠んでいる(仝上)。新古今和歌集には、 いつか…

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