いはぬ色
九重にあらで八重咲く山吹のいはぬ色をば知る人もなし(新古今和歌集)、
の、
いはぬ色、
は、
山吹の花色衣(はないろごろも)ぬしや誰(たれ)問へど答へずくちなしにして(古今和歌集)、
とも詠われ、
梔(くちなし)と口無しをかける。山吹色に染めるには、梔をもちいた、
とある(高田祐彦訳注『新版古今和歌集』)。
言わぬ色、
は、
梔(く…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか