しをり
吉野山こぞのしをりの道変へてまだ見ぬ方の花を尋ねむ(西行)、
の、
こぞのしをり、
は、
去年したしおり、
の意、
しをり、
は、
枝折り、
で、
道しるべのために木の枝を折ること、
とある(久保田淳訳注『新古今和歌集』)。西行は、この歌の他にも、
しをりせでなほ山深くわけ入らんうきこと聞かぬ所ありやと(新古今和歌集)…
生きるとは 位置を見つけることだ あるいは 位置を踏み出すことだ そして 位置をつくりだすことだ
位置は一生分だ 長い呻吟の果てに たどりついた位置だ その位置を さらにずらすことは 生涯を賭すことだ それでもなおその賭けに 釣り合う 未来はあるか